『シャン・チー/テン・リングスの伝説』
2022年 04月 11日
トップバッターこそ顔なじみのブラック・ウィドウが活躍したものの、それ以降シャン・チーにエターナルズと続けて新顔をデビューでは、過去作との接点が希薄になって寂しいと感じていたのだが、実はその間に配信ドラマではワンダやヴィジョン、ファルコン、バッキー、ロキらが大暴れしていた訳で、こうやって順番に見ていくと、ああいつもの<MCU>だなと安心する。
口惜しいが配信ドラマはスピンオフではなく、完全な”正史”ということになってしまった。

どちらのヴィランも家族というものに対する思い入れが強く、かなり偏った信念に基づく高すぎる理想像を掲げて暴走するというのも同じ。
主人公はそれを否定するのではなく、かといって全面的に受け入れることもせず、ただその思いを背負っていく、という結末なのも共通している。
そして片や黒人、片やアジア人というマイノリティをメインに据えていることもあって、「ブラック・パンサー」同様にこの作品を評価する声が多いのもわからないではない。
それでも以前書いたように、個人的にはこの作品、特に面白いとも感じなかったし、何か深い感銘を受けたということもない。
ウェンウーの家族への愛、いや妻への愛は本物だろうが、だといってその行動は肯定できないし、その目的のためには子供たちを犠牲にするのもやむ無し、と考えているようにも見えてしまうので同情や共感の余地はない。
またウェンウー(演:トニー・レオン)の吹替を担当しているのは山路和弘だが、既に<MCU>ではレッドスカルを演じていることもマイナス要素。
悲劇の人物ではなく、極悪非道の悪役にしか感じられないのだ(X-MENではウルヴァリンなのだが)。
兄妹和解するかと見せかけて、新たな火種を持ち込んだかのようなラストシーンにもやや幻滅。
これが単なる続編への仕掛けでなければいいのだが。
【ひとりごと】
アップになるとミシェール・ヨー、老けたなあと感じる。
ユン・ワーもキャスト表を見るまでは全然わからなかった。
ただ二人とも体の動きはしなやかだし、やはり見ていて美しさを感じた。
<過去記事>
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