人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『封印作品の謎2』 安藤健二

『ウルトラセブン』の12話、『怪奇大作戦』の24話、映画『ノストラダムスの大予言』などなど、何らかの理由により世間からその存在を隠匿されてしまった作品を取上げた『封印作品の謎』は、単に作品に対する興味本位のアプローチではない部分に好感が持てる、読ませる力作であった。

ただこの本が出た当初は、扱った作品群同様に本書も抹殺、乃至は黙殺されるのではないか、との懸念を捨て切れなかったのだが、幸いなことに好評のうちに迎えられたようで、ここにめでたく第2弾が出版された。
『封印作品の謎2』 安藤健二_e0033570_1157481.jpg
今回取上げられているのは、前作のようにエピソード単位で欠番にされたものではなく、作品の存在そのものが消されようとしている作品群だ。
『キャンディ・キャンディ』『ジャングル黒べえ』『オバケのQ太郎』、そして『サンダーマスク』
超有名作から一般には殆ど存在を知られていないような作品まで、その範囲は広い。
だがその根底には、差別問題や著作権ビジネスに対する無理解、矛盾、事なかれ主義といった共通項があることを浮き彫りにしてゆく。

これらの作品群が封印されているのが良いのか悪いのか、その結論は簡単には出まい、というか出せまい。しかし一人一人がそういった問題点について真剣に考えることもまた必要なのではないだろうか。
Tracked from スチャラカランナーの日々 at 2006-03-24 08:13
タイトル : 「封印作品の謎2」安藤 健二/著
 「封印作品の謎2」安藤 健二/著読みました。  1で扱われた作品はほとんどが差別問題と表現の微妙な兼ね合いに基づくものだった。  今回取り上げられているのは、「キャンディ・キャンディ」「ジャングル黒べえ」「サンダーマスク」「オバケのQ太郎」の4作。  「オバケのQ太郎」が封印作品になっているとはかなり意外でした。「キャンディ・キャンディ」の原作者と漫画家の対立はそういえば何かあったということをこの作品を読んで思い出しました。  上記の2作に比べると「ジャングル黒べえ」「サンダーマスク」の2作...... more
Commented by F20! at 2006-03-15 13:05 x
え?
『キャンディ・キャンディ』は作者間の権利問題かな?とか思うのですが、『オバケのQ太郎』は何で?

この本読まなきゃダメかしら(^ ^;)
Commented by odin2099 at 2006-03-15 23:05
『キャンディ・キャンディ』は僕も原作者と漫画家の著作権争いだと思っていたんだけど、実はもっと根が深かった。
『オバQ』に関しては色々噂を聞いていたけど、結局のところ当事者(というか関係者)は黙して語らず、ということでよくわかんないんだなぁ・・・。
あとは本を読んでみて(苦笑)。
by odin2099 | 2006-03-15 06:17 | | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31