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『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)

*** ネタバレ注意! ***

見知らぬ少女を救うべく怪物に挑んだストレンジだったが、善戦虚しく敗れ…そこで目が覚める。
その日はクリスティーンの結婚式で望まぬ形で出席する羽目になったのだが、そこへ怪物が出現。
更にあの少女までも姿を見せ、ウォンの協力で辛うじて仕留めることに成功する。
少女の名はアメリカ・チャベス、マルチバースを行き来する能力を持っていて、別のユニバースのストレンジによってこの世界に送られてきたのだ。
チャベスをカマータージに隠し、ワンダの助力を求めに行ったストレンジだったが、チャベスの能力を欲し怪物を送り込んだのは、実はワンダだったことに気付いてしまう。

『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)_e0033570_09211167.jpg<マーベル・シネマティック・ユニバース>の34作目で、フェイズ4の11本目の作品。
劇場公開作品としては28作目になる。
『ドクター・ストレンジ』の2作目だが『ワンダヴィジョン』の続編にもなっており、スカーレット・ウィッチ/ワンダ・マキシモフとのW主演扱い。
というよりメイン・ヴィランはワンダで、全編がチャベスを巡ってのストレンジとワンダの対決だ。
これまでの<MCU>作品にはないホラーテイスト、ややグロティスクな描写の数々には戸惑う観客も多そうだ。


またストレンジとチャベスのバディ物にもなっていて、二人は様々なユニバースを訪れる。
そしてその世界でのストレンジの力を借りようとするのだが、どの世界のストレンジも独断専行型でその試みは失敗。
またとある世界ではイルミナティと名乗る評議会が存在し、ストレンジは激しく糾弾されるのだ。

このイルミナティ、メンバーはモルド、キャプテン・カーター(ペギー)、キャプテン・マーベル(この世界ではマリア・ランボー)、インヒューマンズのリーダーのブラックボルト、ファンタスティック・フォーのリーダーであるリード・リチャーズ、そしてプロフェッサーXことチャールズ・エグゼビアで、かつてはストレンジもそこに名を連ねていた。

これで『ホワット・イフ…?』だけでなく『X-MEN』や『インヒューマンズ』とも繋がった、と思いきや、そこに現れたワンダによってほぼ瞬殺。
ブラックボルトはアンソン・マウントだし、ペギーはヘイリー・アトウェル、マリア・ランボーはラシャーナ・リンチ、そして勿論プロフェッサーXはパトリック・スチュワートが演じているのだが、嬉しさよりも後味の悪さの方が残る。

リード・リチャーズを演じているのは噂通りのジョン・クラシンスキーだが、今後作られるリブート版『ファンタスティック・フォー』へも続投するのか、それとも今回限りなのか。
パトリック・スチュワートも『X-MEN』のリブートへの続投はなく、『ワンダヴィジョン』でピエトロ・マキシモフを再演(偽物だったが)したエヴァン・ピーターズのようなファンサービスに近いもののような気もするのだが。
『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022)_e0033570_09223269.png
斯様にどうしても「次」が気になってしまうのが<MCU>の魅力でもあり欠点でもあるのだが、今回も様々な”謎”と”期待”を持たせて終わる。

ストレンジとチャベスによって”改心”したように見えるワンダだが、最後は瓦礫の下に消えていったが再登場はあるのだろうか。
このままではあまりにも彼女が哀しすぎるし、かといって生存していたとしても強力だが危険すぎる彼女の能力を、かつてのアベンジャーズのメンバーが欲するかというと微妙だろうし、彼女自身も周囲との関りを避けることを選ぶのではないだろうか。

チャベスはカマータージに残って修行をすることになったが、次に現れる時は自在にマルチバースへのゲートの開閉を行えるようになっているかも知れない。

前作ラストでストレンジと袂を分かったモルドは、ストレンジの言葉を借りれば一別以来ストレンジの命を狙っているとのこと。
今回は別ユニバースのモルドしか出てこなかったが、その決着は当然次回作へ持ち越しと考えていいだろう。

そしてポストクレジットに登場した謎の美女。
原作コミックではドルマムゥの妹ウマルの娘のクレアで、やがてストレンジのパートナーとなり”至高の魔術師”にもなるキャラクターだそうだが、演じているのがシャーリーズ・セロンだけに今後の活躍にも期待が持てる。


Tracked from 或る日の出来事 at 2022-05-11 07:25
タイトル : 「ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス」
『ストレンジmom』面白いとこなし。都合つけてわちゃわちゃやってるだけ。母の涙にグッときたから、ある意味momの題は正しい。スカヨハなしで魅力なくなったな。... more
Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2022-05-16 01:15
タイトル : 『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』..
◆『ドクター・ストレンジ マルチバース・オブ・マッドネス』新宿ピカデリー7 ▲画像は後から。 五つ星評価で【★★★★ごくごく普通におもろい映画。とてもサム・ライミらしい映画と言われているが、サム・ライミらしいって何ぞやってのが個人的にはよく分からなかった】 ツイッターでの最初の感想(↓) 鬼子母神みたいな話だった。職場に一人確保したいベネディクト・ウォン。吹石一恵に似てるアメリカ。ドクタ...... more
Commented by ふじき78 at 2022-05-16 01:14 x
何だかどんな存在だか分からないイルミナティーとの戦いが燃える。あと、ドクターとドクターのある意味クイズ・ドレミファドンみたいな戦いも目先違ってよかったわ。
Commented by odin2099 at 2022-05-17 21:22
> ふじき78さん

あの音符攻撃は面白かった。
イルミナティのメンバーは、噂も含めて豪華な顔触れ。
しかしそれがあっという間に瞬殺。
<MCU>もすっかりブランド化し、贅沢な作品になったもんだなあ。
by odin2099 | 2022-05-05 09:23 |  映画感想<タ行> | Trackback(2) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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