『機動戦士ガンダム/ククルス・ドアンの島』(2022)
2022年 06月 05日
今回敢えてオリジナルのテレビ版は見直さなかったのだが、ドアンが保護する少年少女たちが増え、また当初は反発していたアムロとも徐々に打ち解けていく様子を描くなど物語を丁寧に膨らませ、『ガンダム』のアニメとしてはかなりの異色作ながら素敵な小品に仕上がっていた。
時系列がテレビ版と異なり、一年戦争も終盤に差し掛かった頃の話とされているためにスレッガーがいたり、アムロの夢の中に父テムや母カマリア、それにシャアが出てくるのでやや混乱する。
中間管理職の悲哀かブライトが終始イライラしっぱなしで、逆にそのことでアムロ、カイ、ハヤト、ミライ、セイラといったホワイトベースのクルーたちが結束しているのは面白い。
ミライやセイラがかなり大人になっているし、なんだかんだでブライトも察しが良かったり、従来の”少年少女たちばっかり”のホワイトベースとは一味違う感じだ。
やはりそれだけの経験を経て、皆逞しく成長したということなのだろう。
音楽の服部隆之は今回も渡辺岳夫と松山祐士のスコアをアレンジして使い、「ファースト・ガンダム」のムードを醸し出しているが、古谷徹演じる15歳のアムロはそろそろ聞いていて辛く感じられるようになってきた。
これからも続くとするなら、そろそろ世代交代の時期が近づいてきているのかも。
その「続く」という部分に関して、安彦良和は「今回が最後のガンダム」というような趣旨の発言をしていたが、自ら陣頭指揮を執らずとも『THE ORIGIN』のアニメ版、通常のリメイクとは一味違う”新釈版”の「ファースト・ガンダム」の続きはまだまだ見ていたい。
最初のテレビ放送から40年余り、語り直しても良い頃だ。
すっかり忘れてました。
でもそれを思い出して、
この映画の展開もスッキリしました。