2017年にMBSで放送された番組に、追加取材して再構成したドキュメンタリー映画。

2006年に教育基本法が改定され、「愛国心」が盛り込まれ、「道徳」が正式な授業に格上げされ、政府が望まない記述は容赦なく教科書から削除され、教育の現場に政治が介入。
それに従わない者は容赦なく叩かれ、誹謗中傷の嵐に晒される。
最初は滑稽に感じる部分もあるものの、やがて背筋がぞっと寒くなり、そして怒りで腸は煮えくり返る。
先にロシアの愚かさと恐ろしさを描いた映画を見、日本に生まれて良かったと感じたのだが、いつの間にか日本も恐ろしい国へと変貌してしまっていた。
子供たちに正しい歴史を伝え、日本を誇れる国にする、そのお題目自体は立派だ。
だが”正しい歴史”とは何なのか。
その根拠は何なのか。
そこに少しでも疑念を挟むことは”反日”であり、”非国民”なのか。
政権与党の都合の良い解釈に基づく歴史を子供たちに押し付けること。
「歴史から学ぶことは何もない」と断言するような人物に、子供たちの将来を委ねること。
何かを感じることは異常なのか。
進んで戦争への道を歩むことを可能にする教育、そして憲法改正。
多くの人が声を上げるべき問題だろう。