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『ゆるキャン△』(2022)

あれから――5人はそれぞれの場所で、それぞれの道を歩んでいた。
リンは名古屋で小さな出版社に勤め、なでしこは東京郊外でアウトドアショップの店員、恵那は横浜でペットのトリマーとして働き、あおいは地元に残って小学校の先生をしていた。

そんなある日、リンは千明に呼び出される。
東京のイベント会社に就職した千明だったが、しばらく前にUターン転職して山梨の観光推進機構で地元を盛り上げるべく奮闘しており、今はとある遊休地の活用方法について悩んでいたのである。

「そんなに広いならキャンプ場にすればいいじゃん」何気ないリンの一言だったが、実は同じことを考えていた千明は皆を呼び集め、更に県からの許可も取り付けて計画は実現に向けて一気に動き出す。
自分たちの手でキャンプ場を作ろう!
彼女たちの時間が再び動き出した。

『ゆるキャン△』(2022)_e0033570_20471110.jpgテレビアニメの1期と2期では高校1年生の初冬から春までが描かれ、あfろの原作でもようやく高校2年生になったばかりのなでしこ、リン、千明、あおい、恵那。
この劇場版では概ねその10年後の彼女たちを描き、鳥羽先生や5人の家族、なでしこの幼馴染の綾乃といった準レギュラークラスのキャラクターも顔を揃えたオリジナルストーリーだ。

原作は時系列がしっかりしていて空白期間がないため、安易にスピンオフや番外編を入れることが出来ない。
そこで未来を先取りする形になったのだろう。
といっても原作が今後このように展開するということではなく、あくまで現時点でのifストーリーのはずだ。

年齢を重ね、大人になった彼女たち。
周囲の人たちとの接し方に彼女たちの成長の跡がうかがえるが、そうはいっても皆が一堂に会せば時間の空白は埋まる。
どうやら5人全員が顔を合わせるのは3年ぶりくらいらしいのだが、そのチームワークの良さは昔のままだ。

相変わらず丁寧な作画に美しい音楽。
皆それぞれ「らしい」言動で、これまで原作やテレビアニメを追いかけてきた「ゆるキャン△」ファンならばすんなりと物語世界に入り込めるだろう。
個人的にはこのメンバー内で一番最初に再会するのがリンと千明というのが驚きで、この5人の中では一番接点がなさそうな組み合わせだからなのだが、そこも見方を変えれば彼女たちの成長の一端ということになるのだろう。
後は老犬になってしまったちくわの描写に一抹の寂しさが…。

難点と言えば、一見さんには彼女たちの関係が若干わかりづらく映るだろうということと、展開上の不自然さがあること。
途中で困難に直面し、あわや計画中止?からの打開策の立案というのは予想通りなのだが、そもそも県の計画として進められているはずのキャンプ場の建設が、素人のボランティア頼みというのは如何なものか。

地元にいるのは千明とあおいだけで、他の3人はそれぞれ東京、横浜、名古屋からの通いだし、県からの仕事として請け負い、専任で動けるのは千明のみ。
後の4人は他の仕事を抱え、土日や休日を潰して行動しているのだ。
そのあたりをもう少しフォローする描写が欲しかったのだが。

ともあれ映画の評判は上々のようだし、作品の人気もまだまだ衰えず。
となるとテレビの3期にも期待したいところ。
キャストの年齢を考慮すると実写版ドラマの3期は無理だろうが、アニメ版なら十分。
来年になれば原作のストックも出来るだろうから、是非とも吉報を待ちたい。


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Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2022-07-05 22:06
タイトル : 『映画 ゆるキャン△』ユナイテッドシネマ豊洲10
◆『映画 ゆるキャン△』ユナイテッドシネマ豊洲10 ▲主役の5人。どれが本来の主役なのか分からないくらい一見さん。 五つ星評価で【★★★悪くない。いや、どちらかと言うといいのだが、悪い方向に振り切れてほしかったって気持ちも捨てられない】 ツイッターでの最初の感想(↓) ユル・ブリンナーのキャンプかと思ったのに。もちっとライトコメディかと思ったら「はい、泳げません」的な真面目な自分探し映...... more
Commented by ふじき78 at 2022-07-05 22:15 x
それだけ場所が余ってるなら、敷地内にでかい建物を建てて、『ゆるキャン△』『まちカドまぞく』『がっこうぐらし!』『けいおん!』のメンバーを召喚して、「芳文社版異世界かるてっと」を作れば、いろいろ次の展開も見込めるぞとか無駄な連想をしたりする。
Commented by odin2099 at 2022-07-10 19:55
> ふじき78さん

芳文社ユニバースが…?!
by odin2099 | 2022-07-04 20:59 |  映画感想<ヤ行> | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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