
嬴政が玉座を取り戻して半年後、隣国の魏が突如国境を越えて侵攻を開始した。
信は千人将・縛虎申配下の歩兵として魏討伐軍に加わり、羌瘣らと出会う。
魏の総大将は知略に優れた呉慶、対する秦の総大将は猪突猛進型の麃公。
信らが決戦の地・蛇甘平原へ到達したとき、既に秦軍は圧倒的不利な立場に置かれていた。
『キングダム』の続編で、前作に勝るとも劣らないスケールのアクション超大作。
前作はアンサンブルキャストの面白さがあったが、今回は殆ど山崎賢人の独り舞台になっており、吉沢亮も橋本環奈も出番は少なめで、長澤まさみに至っては前作のフッテージを利用した回想シーンにしか登場しない。
出演者は売れっ子ばかりだし、コロナ禍で予定していた中国ロケが出来なくなったりとスケジュール調整にはだいぶ苦慮した様子が窺えるが、先ずは一級の娯楽作品に仕上がっていた。
そんな中でも、少ない出番ながら大沢たかおは相変わらず得体のしれない不気味さを漂わせているし、新たに登場した豊川悦司、小澤征悦は流石の存在感。
それにもったいぶって出てきた玉木宏や佐藤浩市には、次への期待が高まる。
出色なのは羌瘣役の清野菜名。
本作の副主人公とも呼べる存在で、アクションと演技、両方を買われての起用だろうが、暗殺者として育てられた凄腕の女剣士としての動きにも説得力があるし、総じて彼女の身のこなし、佇まいは悲壮感がありつつも可憐である。
残念なのはせっかくその姉の羌象役に山本千尋を起用しておきながら、アクションシーンが一切なかったこと。
「キングダム連載10周年実写特別動画」では羌瘣を演じた彼女は、もちろん本格的なアクションが売りの人。
せめて回想シーンでの妹・清野菜名との修行シーンは入れるべきだったろう。
本当に動ける女性同士の絡みを見せないなんて、なんて勿体ないことを…。
エンドロール後には、来年に3作目を公開する旨の告知が出るが、幾つかのフッテージが紹介されたところを見ると、この2作目と同時に撮影をしていたのだろう。
前作から名前だけは出ていた呂不韋がやっと最後に登場して終わっただけに、今度はアクションだけではない陰謀劇も楽しめそうだ。