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『戦え!!イクサー1』(1985)

先頃大往生された渡辺宙明先生の追悼で、35年ぶりくらいに再鑑賞。

主人公が美少女二人のバディ物で、等身大のヒーローのアクションと巨大ロボのアクションの二段構えにスプラッター、ホラー、それにエロティックな要素を加味し、平野俊貴監督は影響を受けた特撮やアニメにオマージュを捧げまくった、ターゲットを絞ったOVAならではのマニアックな作品。
敵方の出典がクトゥールー神話というのも、この頃はまだ知る人ぞ知るという程度の認識だったかと。

『戦え!!イクサー1』(1985)_e0033570_19303361.jpg主人公の一人(イクサー1)は戦士で、もう一人(渚)は巻き込まれ型のヒロイン。
イクサー1のパートナーに選ばれたばっかりに、渚は両親や友人を惨殺されるわ、裸にされるわ、触手攻めされるわ、と18禁アニメのヒロイン並みに悲惨な目に遭うけれど、これが当時の売れ線。
一方のイクサー1には東映の実写ヒーロー像が投影されているようで、彼女が繰り出す巨大ロボットは東映動画のロボットアニメの系譜。

だからこその宙明節。
渡辺宙明の音楽がハマる。

もっともこの時の平野監督はまだ大人しめでそれっぽい曲が流れる程度だが、この後の『イクサー1』の続編や『破邪大星ダンガイオー』では要求が更にエスカレート。
『人造人間キカイダー』や「宇宙刑事シリーズ」に似た曲を発注するあたりはまだカワイイもんで、挙句の果てに『グレートマジンガー』や『鋼鉄ジーグ』、『マグネロボ ガ・キーン』のBGMをそのまま再演奏させるのはチトやり過ぎか。

また脇で出てくる地球防衛軍のメカは東宝特撮モノのパロディになっているのだが、欲を言えばこの場面だけ伊福部メロディを流した方がわかりやすかったかも?

30分程度の長さで物語は発端部分のみ。
流石にこれだけ見せられてもフラストレーション溜まるだけだが、はて、リリーズ時に続編製作はアナウンスされてたっけ?
確か完結編まで出てからまとめて見た記憶があるのでそれなりに愉しめたが、リアルタイムで追っかけてたらもっと評価は低かっただろうな。

by odin2099 | 2022-08-14 19:36 | ビデオ | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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