人気ブログランキング | 話題のタグを見る

「ウルトラの父」冬木透作品による『希望の光コンサート』

『交響詩ウルトラセブン』と『交響曲ウルトラコスモ』、冬木透が手掛けた二つのシンフォニーを吹奏楽版で!
こんなコンサートがあることを知らず、そもそも吹奏楽版が作られていたことさえ知らず、かなり直前になってその存在を知ったので慌ててチケットを取りました。

会場はかつしかシンフォニーヒルズのモーツァルトホール、演奏は大井剛史指揮の東京佼成ウインドオーケストラ
このホールは10年ぐらい前に2度か3度行ったことがあったので、随分と久しぶりになりました。

「ウルトラの父」冬木透作品による『希望の光コンサート』_e0033570_19574405.jpg前半が『交響詩ウルトラセブン』で、作曲・冬木透の他に編曲として佐藤誠、物語として飯島敏弘の名前がクレジットされています。
第1楽章「ウルトラセブン登場!」、第2楽章「怪獣~侵略のモンスター」、第3楽章「ウルトラホーク発進!進めウルトラ警備隊!」、第4楽章「侵略者の魔手~煩悶するモロボシ・ダン~」、第5楽章「さようならウルトラセブン!」の5楽章で構成されていますが(タイトルは従来のシンフォニー版とは若干違ってますね)、各楽章の頭にナレーションが追加されているのです。

後半は『交響曲ウルトラコスモ』で、こちらにも編曲・藤原典子の他に、物語・上原正三というクレジットが。
こちらも第1楽章「太陽をこえて」、第2楽章「光をあびて」、第3楽章「暗黒の淵から」、第4楽章「輝きの環をI」、第5楽章「輝きの環をII」の5楽章形式で、同様にナレーションが追加されています。
ちなみに本来のシンフォニー版は交響曲ということもあって4楽章形式ですが、演奏上の都合で4楽章を前半と後半に分けて編曲されています。

弦のない吹奏楽はいつも物足りなさを覚えるものですが、今回は弦の不在を感じさせない厚みのある演奏で、若干のミス(?)が気になるところではありましたが概ね演奏には満足しました。
ところがナレーションの挿入には大いに不満の残るところです。

飯島敏弘、上原正三という、近年鬼籍に入られたウルトラシリーズ初期から携わってきた偉大なクリエーターの遺したものではありますが、これがいわゆる定説となっているウルトラシリーズの設定とはかなり乖離した内容であり、その齟齬が気になって鑑賞に集中出来ないという弊害をもたらしたからです。

ウルトラシリーズの門外漢に”音楽物語”としての解説を加えるという意図はわからないでもないのですが、曲を聴くことを楽しみにしている純粋なファンは、かえって混乱するのではと愚考する次第です。
今後再演される機会があったならば、出来れば削除をお願いしたいところですが、これが最終形態だというのであれば致し方ないのですが。

また吹奏楽版も悪くはないですが、やはりシンフォニーで聴きたいものです。
これまで一度も演奏の機会のない『交響詩ザ・ウルトラマン』『交響詩帰ってきたウルトラマン』も合わせ、今後も冬木先生の音楽会の開催を強く願うものであります。
客席に冬木先生の姿もありましたが痛々しくも見えましたので、是非とも先生のお元気なうちに。

【ひとこと】
アンコールは予想通り「ウルトラセブンの歌」。
但し『交響詩』版の、しかも2コーラスという変則的なものでした。
by odin2099 | 2022-09-12 20:05 | 音楽 | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30