『スパイダーマン/ノー・ウェイ・ホーム <THE MORE FUN STUFF VERSION>』(2022)
2022年 09月 13日
<もっと楽しいバージョン>を見てきた。
上映館は日本で5館のみということでチケットは発売とほぼ同時に瞬殺だったが、辛うじて潜りこむことに成功。
公開版より11分長いということだったが、結論から言うと――
こっちの方が面白い!
もっと大規模公開して欲しいし、その後はちゃんとソフト化もして欲しい。
このまんま一部のファンだけのものにしておくのは勿体ない。

続いてピーター=スパイダーマンが泥棒を捕まえるシーンが復活。
この泥棒を演じているのはピーター役トム・ホランドの弟ハリー・ホランドで、兄弟共演実現だ(顔はハッキリとは映らないけど)。
ピーターたちが学校に戻った場面も追加があり、好奇心からピーターに近づく者もいれば、ピーターに辛く当たる人物もいる。
クラスメートからは半ば見せ者扱いされ、教師からも「怪物」呼ばわりされるといった残酷な場面も。
一方で公開版からは殆ど出番が削られたベティが大復権!
校内放送でベティが、先生やフラッシュ、ネッド、更にはピーター本人にも独占インタビューするという番組が流れるのだが、フラッシュの著書に自分の名前が出てこないと詰め寄ったり、ネッドには夜中に元カノ(自分のことだ)へメールを送る件について尋ねたりと本筋に関係ない部分があったりでニヤリもの。
ピーターに対しては、もし自分を噛んだクモに声を掛けるとしたら「ありがとう」か「迷惑だ」のどちら?という質問を投げかけている。
ちなみにピーターは「ありがとうと言う」と答えている。
サンクタム・サンクトラムからピーターがヴィランたちを連れ出す場面では、ハッピーの自宅のエレベーターに全員が乗り込むというシュールな絵が復活。
しかもその様子をハッピーがスマホで見ていて気が気じゃないのだが、実はこの時ハッピーはダメージコントロール局の取り調べを受けてる最中だった。
そのハッピーの傍らにはマット・マードック弁護士がいて「汗をかき過ぎだ」と忠告するという、これまたクスりとさせられる場面になっている。
マードック、前半だけじゃなく後半にも出番があったんだな。
しかしなんで”見える”の?
二人のピーターが合流し、3人のスパイダーマンが揃ってからは細かくシーンが追加されてる。
特にピーター2(トビー・マグワイヤ)とピーター3(アンドリュー・ガーフィールド)の会話で、「やり直したいことは山ほどある」、「今回がセカンドチャンスだ」といったやり取りや、連絡先を交換しようと意気投合をする場面などが追加。
これは今後の作品での再共演の伏線なのだろうか。
もっとも電話番号交換したところで、マルチバースの別世界にいる二人がどうやって連絡を取り合うのかは不明…。
そしてポストクレジットシーンなのだが、ここでベティが再登場。
卒業を控えて学園生活を振り返るという趣旨で思い出の写真や映像が流れるのだが、この場面にピーターの姿はない。
映ってはいても顔が見えないようになっているので、これを見る限りではピーターは公的にその存在を抹消されているか、さもなければ生徒や教師たちの記憶に残らない印象の薄い生徒として扱われていたのではないかと思われる。
これらの追加シーンは確かに本筋の展開に与える影響は少ないだろうが、あった方がキャラに深みが増すし、笑えるし、泣けるし……