『戦え!!イクサー1/ACT.II イクサーΣの挑戦』(1986)
2022年 09月 29日
止むを得ず単身クトウルフの本拠地へと向かうイクサー1だったが、その前に彼女の妹を自称するイクサー2が出現、たちまちピンチに陥る。
一方イクサー1と袂を分かった渚の元へも、クトウルフの魔手は伸びてきていた。
「戦え!!イクサー1」の続編OVAで、今度は強敵イクサー2が現れる。
その言動はハカイダーを強く意識したもので、イクサー1の妹を名乗るのもそのせい(ハカイダー=サブロウはキカイダー=ジローの弟を称している)。
サブロウと同じように口笛を模したテーマ曲を引っ提げて登場するのだが、実はメロディは「ハカイダーのテーマ」や「三郎のテーマ」にはさほど似てない。
どういう注文だったのかはわからないが、宙明先生なりの意地だったのかも。
平野監督が音楽の趣味を全開にさせるのは、更なる続編「ACT.III」と「破邪大星ダンガイオー」である。
いきなり両親は殺されるわ、訳わからないうちに戦いに巻き込まれるわ、という境遇を考えれば無理はないのだが、この手の主人公としては渚はワガママ。
全ての元凶がイクサー1だと思い込み彼女の存在を拒絶し、戦いを放棄する。
そんな彼女がようやく終盤になって「護りたいもの」を見つけ、自ら戦いに身を投じるというところで幕。
次回が完結編となる。
前作よりはエロティックな場面、グロテスクな場面は抑え気味。
また出落ちだった富士壱號に比べると、富士弐號は善戦したとも言え見せ場は増えているし、作劇も、イクサー1に対するイクサー2の存在を置きつつ、前作で倒された恋人の復讐に燃えるクトウルフの戦士を中心にしているためにわかりやすい。
ただ正味30分程度のビデオを、それなりの値段で「買ってくれ」というのはかなり強気な商売だなと今では思う。