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『沈黙のパレード』(2022)

『沈黙のパレード』(2022)_e0033570_20041384.jpg3年前に行方不明になっていた女子学生の遺体が発見された。
容疑者はかつて女児誘拐殺人事件を起こしたものの、完全黙秘を貫き無罪となった男で、これは当時事件を担当していた草薙にとっても苦い思い出になっていた。
女子学生の死に責任を感じている草薙の身を案じた内海は、湯川に捜査への協力を依頼する。
だが町のパレードの日、今度はその容疑者が何者かに殺害された。
少女の家族、恋人、仲間たち、その誰にも動機があり、そして皆口を噤む。
果たして湯川は、沈黙に隠された真実を解き明かすことが出来るのか。

原作は東野圭吾の<ガリレオ>シリーズの9作目で、テレビシリーズ2本、テレビスペシャル2本、劇場映画2本に続き、9年ぶりに福山雅治がガリレオこと湯川学を演じた。

このシリーズは先ず映画(『容疑者xの献身』)に興味を持ち、テレビの第1シリーズの再放送で予習をしてから映画を見に行き、同時期のテレビスペシャル(『ガリレオΦ』)も見、それと並行して小説も全部読んで一気にファンになったのだが、テレビの第2シリーズは全くの未見で、2本目のテレビスペシャル(『ガリレオXX』)も見ておらず、映画の2本目(『真夏の方程式』)を見てそれっきり。

そのままフェードアウトしてしまって早幾年。
これまでは小説読んでから映画を見て、だったので今回は予備知識なしでちょっと心配していたのだけれども、湯川、草薙、内海といったメインのキャラは押さえていたので、結果的に楽しく見終えることが出来た。

ちなみに原作シリーズに対してもブランクが長いなと思っていたが、実は未読なのはこの映画の原作含めて2冊だけ。
だったようで、これならブランクもすぐ取り戻せるかも。

今回見終わって感じたのは、これはクリスティの『オリエント急行殺人事件』じゃないの?ということ。
で作者のコメントを探すと、やはり『オリエント急行』は意識していたらしい。
こう書くとミステリー好きならば結末や犯人の察しがつくだろうが、勿論そのままトレースはしておらず二重三重の捻りが加えられている。
もっともこちらは危うくミスリードの罠に引っかかりそうになり、またかえって深読みをし過ぎる始末だったのだが。

観客動員も作品の評判も上々のようで福山雅治本人も乗り気のようだし、この手応えからするとシリーズ続行の可能性は高そう。
そうなったら原作小説、映像化作品含めて<ガリレオ>シリーズに再入門するかな。


Tracked from ふじき78の死屍累々映画.. at 2022-10-05 06:18
タイトル : 『沈黙のパレード』新宿ピカデリー2
◆『沈黙のパレード』新宿ピカデリー2 ▲メンズ化粧品みたいなポスターだなあ。 五つ星評価で【★★★推理より情感】 ちゃんと驚くべき推理やトリックは用意されているが、割とそれは二の次。トリックより観客の感情を乱高下させて「観た」実感を与えてくれる映画である。最初に『オリエント急行殺人事件』のような状況を作りだした後、秘かにその配列を少しだけ変えていくのは、『犬神家の一族』で直接の加害者と殺...... more
Commented by ふじき78 at 2022-10-05 06:23 x
乞われて捜査に協力したCIAから帰ってきた湯川先生が合気道で敵をバッタバッタと倒す映画かと思ったのに。

ずんの飯尾が普通にいい感じの役者に仕上がってるのが凄い。あと科学知識を犯罪に使うというのが「怪奇大作戦」味があって痺れる。
Commented by odin2099 at 2022-10-06 20:23
> ふじき78さん

原作者の湯川のイメージは佐野史郎だったそうだから、もし佐野史郎主演でドラマ化されていたら、一層「怪奇大作戦」っぽくなっていたかもしれないね。
by odin2099 | 2022-10-03 20:23 |  映画感想<タ行> | Trackback(1) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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