『ロマンシング・ストーン/秘宝の谷』(1984)
2022年 10月 22日

送られてきたのは宝の地図だった。
単身コロンビアへ向かったジェーンはさっそく謎の男に地図を狙われるが、通り掛かった冒険家のジャックに既の所を救われ、途方に暮れた彼女は、この胡散臭いジャックを現地ガイドとして雇うことにする。
斯くして彼女は、自らが書く小説さながらの大冒険を繰り広げることに。
ということで劇場公開以来、実に38年ぶりに再見。
ロバート・ゼメキス監督は、これ以前に『抱きしめたい』と『ユーズド・カー』の2作をスピルバーグの下で監督しているが、何れも興行的には失敗。
ようやくこの『ロマンシング・ストーン』がヒットし、次回作に選んだのが世界的に大ヒットを飛ばした『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だったから、これが文字通りの出世作ということになる。
同時期に師匠のスピルバーグも、同じく冒険活劇である『インディ・ジョーンズ/魔宮の伝説』を発表しているが、あちらが息つく暇もないスリルとアクション、サスペンスで畳みかけてくるのに対し、こちらも同工異曲でありながら、最初から最後までノンストップではなく、随所にほっと息を抜けるシーンがある。
これは大事なことだと思う。
またあちらは画面全体の暗さ、重さから来る疲労感がどっしりと感じられるが、こちらは明るく、間の取り方が上手く、リズムも良い。
正に緩急自在だ。