『ウルトラQ』⑦
2022年 10月 26日
宇宙から飛来した謎の物体。
通常の隕石よりも軽く電波を発信する、明らかに人工的な物体。
そしてそれに導かれるように落下した巨大なもの。
その中からは巨大なモンスターが出現した。
正攻法で描かれる本格的な侵略モノ。
なのだけれども、舞台が山奥の小さな村で、発見者は子供。
更にダム建設で沈められた故郷の村がどうのこうの、という話を絡ませているので、なんだか矮小化されてしまったようだ。
電波を遮断してメデタシメデタシというのもあっけないが、30分でケリをつけるなら仕方ないか。
第14話は「東京氷河期」。
東京が突然の寒波に見舞われる。
その原因は南極から飛来したペギラだった。

東京のパニックとペギラ対策を描くだけでも十分だと思うが、出稼ぎに出て行方不明の父を探しに来た少年の話と、かつては名パイロットとして謳われたものの、今は落ちぶれて宝石泥棒になってしまった男の話が組み込まれているので、なんだか忙しないものに。
少年の顔を見た男は即座に自分の息子だと気付き、改心して命を賭してペギラに立ち向かうというのが終盤のドラマになるのだが、色々と詰め込んだせいか今ひとつ盛り上がらなかった。
ラストは故郷へ帰る少年を皆が笑顔で見送るのだが、その少年の傍らにあるのが(結果的に英雄とはなったが)父親の遺骨というのをどう受け止めて良いものやら。