
「
最新考古学から探る空白の世紀」、「
『倭の五王』と雄略・継体の謎」、「
空白の世紀と古代豪族」、「
謎の時代に栄えた地方王権の全貌」、「
空白の世紀を生きた庶民の暮らし」の5つに章立てされ、文献資料の乏しい四世紀から五世紀にスポットを当て、考古学的見地からの考察を加えた一冊。
邪馬台国とヤマト政権との繋がり、倭の五王は誰なのか、葛城氏は何故大王になれなかったのか、地方王権の全貌は、当時の庶民の暮らしはどうだったのか、等々を簡単にまとめてあって読みやすい。
ただ章ごとに執筆者が異なるせいか、前後の章で記述が重複したりで一冊の本としてのまとまりはやや薄い。
また幅広いテーマを扱っていることから、その一つ一つは概略を述べるに留まり、あまり深入りはしていない印象が残る。
現在進行形の研究の、その中間報告書といったところだろう。