アーサー王や円卓の騎士たちの物語がどういうものかはとりあえず置いておいて、これらが日本でどのように紹介され、そして広まっていったかを解説した本。
直接アーサー王伝説に材を採った夏目漱石の「薤露行」から、「ドラゴンクエスト」などファンタジーゲームや他の影響を受けた作品群を紹介し、その拡散していく過程を追っている。
なかでも偏愛してやまないマイフェイバリットアニメーション
「円卓の騎士物語 燃えろアーサー」に関して、かなりのページを割いているのが特筆もの。
日本に大々的にアーサー王や円卓の騎士を紹介した功績大でありながら、これまで軽んじられ時には無視されることも少なくなかっただけにこれは嬉しい。
また日本でファンタジーが定着する中では「聖戦士ダンバイン」の大きさにも触れているのだが、それを更に進めた「機甲界ガリアン」や「ロードス島戦記」への言及が少ないのは残念。
また直接アーサー王や円卓の騎士の物語とは関係ないが、日本におけるファンタジーの土壌づくりに欠かせなかったはずの「コナン・ザ・グレート」や「
ダーク・クリスタル」、更には「ネバーエンディング・ストーリー」にも、ちょっとでも触れてくれていればなお良かったのだが。