
父親が再婚し、新しい家族が出来たバスチアン。
だが新しい母親と妹との関係はギクシャクし、転校早々に不良グループともイザコザを起こしてしまう。
逃げ込んだ図書室で、何故か司書として勤務していたコレアンダーと再会したバスチアンは、書棚に「はてしない物語」を見つけると本の世界へと飛び込む。
だが本は不良グループの手に亘ってしまう。
ファンタージェンへやってきたバスチアンは、女王をはじめ懐かしい顔に会うが、既に破壊と混沌とに浸食されていた。
不良グループから本を取り戻さねば、とアウリンの力で元の世界へ戻ろうとするバスチアンだったが、その時ファルコンやロックバイター・ジュニアらも巻き込んでしまう。
そしてアウリンさえも不良グループの手に。
バスチアンは不良グループから本とアウリンを取り戻し、ファンタージェンを元の平和な世界へ戻すことが出来るだろうか。
シリーズの3作目だが、エンデの小説の前半は「
ネバーエンディング・ストーリー」として、後半は「
ネバーエンディング・ストーリー第2章」として映画化済みなので、今回はオリジナルストーリー。
しかも物語の大半はファンタージェンではなく、現実世界が舞台になるので興ざめだ。

クリーチャーたちも回を重ねるごとにブサイクになっていくように思えるし、女王(幼ごころの君)も少女ではなく、アトレーユも登場しない。
現実世界へ現れたクリーチャーたちがカルチャーギャップを体験するドタバタと、いじめっ子グループから逃げ回るバスチアン、何かとバスチアンと衝突する妹の暴走がメインで、もはや原作の面影はない。
また前作でファンタージェンの存在を知り、バスチアンと理解し合えたはずの父親だったが、本作ではその存在はすっかり忘れたらしく口うるさいわからず屋に成り下がってしまった。
毎回キャストが入れ替わり、クリーチャーのデザインも変わってしまうため、シリーズとしての統一感がどうにも希薄なのも減点要素。
劇場で見て以来だったが、やはりこれは蛇足であり駄作と言わざるを得ないだろう。
公開から程なくエンデはこの世を去ってしまったが、この作品には目を通していたのだろうか。
ちなみに一世を風靡したあの主題歌だが、好き嫌いは別にしてこの作品では一切流れないのもシリーズらしさを感じない一因だ。