『ブラックアダム』(2022)
2022年 12月 10日
量産体制に付いていけなくなってきた<MCU>と違い、こっちは間が空き過ぎてるし、繋がってるのか繋がってないのかよくわかんないので、これはこれで困る。

これを見たタスク・フォースX、いや”スーサイド・スクワッド”の創設者アマンダ・ウォラーは、コイツを放置しちゃいかんとホークマンをリーダーとするヒーローチームJSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)を出動させる。
メンバーは他に最古参のドクター・フェイトに、若手のサイクロンに新人のアトム・スマッシャー。
まあこのオバちゃんが絡むと碌なことにならないのはいつものことだが、JSAじゃちょっと荷が勝ち過ぎやしませんかね。
ここはやっぱジャスティス・リーグの出番じゃないの?
そして魔術師シャザム。
コイツもある種のトラブルメーカーな気がする。
で、JSAは自分たちなりの正義を振りかざすのだが、テス・アダムとは相容れずに激突。
また地元民にとってテス・アダムは我らがヒーロー。
これまで困ってる時に助けてくれなかったJSAなんかお呼びじゃない、というアウェーっぷりだ。
一方インターギャングの狙いはこの地に眠るサバックの王冠。
これを手に入れると六大悪魔の能力を手にした魔神になれるという、シャザムやテス・アダムの対局の存在。
で、これの争奪戦が始まるのだが、ここでテス・アダムの誕生秘話やサバックの王冠との因縁が語られたり、もう誰が善だとか悪だとか、単純に割り切れないお話になってゆく。
ブラックアダムを演じてるのはドウェイン・ジョンソンで、もうそのまんま。
対するJSAメンバーでは、ドクター・フェイト役のピアース・ブロスナンが渋い(吹替は田中秀幸だが…活舌が悪くなったのが淋しい)。
というか他のメンバーはあまり役に立ってるようには見えないのが玉に瑕。
ブラックアダム自体が善悪を超えた超人で、カルチャーギャップを盛り込んだりしたもっと明るくダイナミックな作品なのかと期待していたが、意外にお涙頂戴系の要素が多くて、その点ではやや面食らったものの、今やヒーローに多様性(人種的にも)が強く求められるご時世だからそれもありだろう。
ミッドクレジットシーンではスーパーマンが久々に登場。
”次”を期待させるし、公開に前後してヘンリー・カヴィル自身も続投宣言をしたので弥が上にも高まるのだが……
結局のところ具体的な新作の話はなく、また今後公開予定の作品へのカメオ出演した場面も削除されるかもしれないというのはあんまりだ。
前後して『バットガール』はお蔵入りするわ、主演俳優のトラブルのせいで未だ公開するかしないかハッキリしない『ザ・フラッシュ』の問題はあるわ、2作目で『アクアマン』を打ち切ってジェイソン・モモアを別ヒーローとしてリキャストするなんていう話もあれば、監督と幹部が衝突して降板しちゃったこともあり、準備が進められていた『ワンダーウーマン3』が製作中止されるなど、DCは相変わらず不安にさせるニュースしか流れてこない。

◆『ブラックアダム』トーホーシネマズ新宿3 ▲「ブラックサダム」でも「ブラックマダム」でもない。 五つ星評価で【★★★★流石ロック様】 ツイッターでの最初の感想(↓) あと30年早く作られていたらロック様は「アダモちゃんぺ」とかやってくれたろうか? ロック様のカリスマ力が強すぎて楽しい。拮抗するヒーロー達もいい意味で微妙な感じ。しかしDC世界はスースクのあの人がいなければいい世界じゃな...... more

この作品にもシャザムを登場させるアイディアがあったようだけど、その方が親切だったのか、それとも饒舌になり過ぎたのか。
ともあれ、マーベルに比べるとDCはそのあたりの仕掛けが下手だなあとは思う。
リンク張り過ぎのマーベルにも最近辟易しかけているけれど。