『風都探偵 The STAGE』
2023年 01月 09日
「仮面ライダー」の舞台版としては『仮面ライダー斬月/鎧武外伝』に続く2作目となる。
池袋のサンシャイン劇場にて観劇。
ストーリーは原作第1巻をベースに、出番の少ない刃野や真倉、万灯の登場場面を増やし、出番のなかった照井や一葉の出番を追加してまとめたもの。
『W』や『風都探偵』を見たり読んだりしていなくても、基本設定を知っていればミステリー・サスペンス物として愉しめるかと思う。
翔太郎やフィリップ、亜樹子、照井らは当然『W』とは別キャストだが、テレビドラマ『W』のリキャストではなく、漫画『風都探偵』舞台化にあたってのキャスティングとなる。
概ねルックス的には漫画のイメージに近いメンバーが揃っていて、はじめのうちは台詞の言い回しや声のトーンの差異が気になっていたものの、段々と気にならなくなっていく。
そんな中でも唯一のオリジナルキャストとなった、刃野役のなだぎ武の安定感というか安心感は群を抜いている。
ちなみに刃野と真倉の登場シーンは殆どがアドリブではないかと思うのだが、真倉に対する刃野の「翔太郎ってあんな奴だっけ?」「お前もなんか感じが変わったな」「一緒にどんな事件を解決したっけ?」といったやり取りには場内大爆笑で、逆に真倉からは「ジンさんが変わらなすぎるんですよ」と突っ込まれていた。
プロジェクションマッピングを多用し、風都と裏風都を瞬時に入れ替えて見せたり、Wやアクセルへの変身やフォームチェンジを一瞬で見せたりと舞台ならではの工夫も楽しい。
個人的には漫画版ではどういうデザインなのか今一つわからなかったときめの衣装が、実際に演者が着ることによって得心がいったのも収穫だった。
もうオリジナルキャストを起用しての映像化というのは無理だろうが、間に漫画を挟み、それの舞台化という形であれば今後更に配役の交代があってもスムーズに行きそう。
アニメ版はアニメ版として、この舞台版『風都探偵』、是非ともシリーズ化を目指して欲しい。
【ひとこと】
音楽担当は『W』、アニメ版『風都探偵』に引き続き中川幸太郎と鳴瀬シュウヘイ。