『ＮＯＰＥ／ノープ』（2022）

半年前に事故で父親を失った牧場主のＯＪ。

死因は航空機からの落下物による衝突死とされているが、未だにそのショックから立ち直れていなかった。

何よりもその瞬間、彼は奇妙な飛行物体を目撃しており、そのことが脳裏から離れなかったのだ。
妹のエメラルドと久々に再会した日、ＯＪは再び謎の飛行物体を目撃する。
エメラルドはそれを撮影し、一儲けしようと持ち掛けるのだったが…。

予告編を見た限りではホラー版の『未知との遭遇』みたいな作品なのかな、と思いながら見始めたのだが、ホラーというよりもモンスター映画に分類した方が良さそうだ。
荒野が舞台と言うことで『トレマーズ』っぽい雰囲気もあるし、見てないけどＳＦ西部劇と呼ばれた『カウボーイ＆エイリアン』ってこんな感じなのかなと思ったり、他にも色々な作品にオマージュを捧げたっぽいシーンやシチュエーションも登場する。

監督はジョーダン・ピール、出演はダニエル・カルーヤ、キキ・パーマー、スティーヴン・ユァン、ブランドン・ペレア、マイケル・ウィンコット、キース・デビッドら。

登場人物は少ないものの、各々必要最低限の情報しか与えられずやや薄っぺらく感じられる部分がある反面、思わせぶりな場面も少なくなく全体的な印象はやや冗長。
些か唐突に挿入される猿のエピソードなども、本来ならばエイリアンとの対比になっていたのだろうが、上手く伏線を回収しているようにはどうにも思えなかった。

M・ナイト・シャマラン監督の『サイン』のように、ハッタリかませた上でコケ脅かしに終始していないだけマシか。

ああそういえば『SUPER ８』っていうのもあったなあ、スピルバーグ＆エイブラムズの。

ラストシーンは普通に考えるとハッピーエンドなのだろうが、あれを”幻”と解釈すると違った意味が生まれてくる。