『ウルトラ怪獣DVDコレクション6 メトロン星人』
2023年 02月 02日

その背後には、地球人同士の信頼関係を壊そうと目論むメトロン星人の企みがあった、とする脚本・金城哲夫、監督・実相寺昭雄コンビによる一篇。
物語の最後には「これは遠い遠い未来のお話です」というナレーションが入ることでも有名。
「何故って?今の我々は宇宙人に狙われるほどお互いを信頼していませんから」という痛烈な皮肉はわかるものの、それが全て。
全体的な出来栄えとしてはそれほどの傑作とも思えないのだが…。
地球に接近する妖星ゴラン、それを迎撃するミサイル発射寸前に現れるメトロン星人Jr.に超獣ドラゴリー、そして怪獣ムルチ。
この強力タッグの前に然しものウルトラマンAも苦戦を強いられ、この戦いで南夕子は重傷を負ってしまう、というところから始まる。
これでもか、と詰め込み過ぎのストーリーに、なんでこのチョイス?と首をかしげたくなる組み合わせ。
メトロン星人である必然性はないし、婚約者を失って暴走する山中隊員、危篤状態にも関わらず前線に赴いてAに変身する南隊員、とツッコミどころが多すぎる。
唯一正論を吐く竜隊長が毅然として格好良いが、これって脚本・上原正三なんだよなあ。
ハッピーエンドも、文字通り取って付けた感が強い。