『咲/Saki 阿知賀編 episode of side-A』Vol.2
2023年 02月 17日

ここまでが第2局でのお話。
第3局では晴れて阿知賀女子に入学した穏乃と憧を迎え、新生阿知賀女子の麻雀部が誕生するところから始まるので、時系列的には『咲/Saki』の第1局と同じ頃ということになる。
ところが予選まで後2ヵ月しかない中で、穏乃の調子が上がってこない。
煮詰まり、もがき苦しむ穏乃を見かねた憧が、彼女を山に連れ出す。
途中で憧が足を挫いてあわや遭難?というハプニングがあったものの、ここで何かを掴んだ穏乃は遂に覚醒する。
一方の憧も葛藤を抱えていた。
中学時代の同級生で共に名門・晩成高校を目指していた初瀬から、晩成から逃げたとなじられたのだ。
同じくらいの実力だった自分が補欠にすら入れない現状から、阿知賀女子が晩成に勝つことはあり得ないとまで言い切る。
第4局では県予選の決勝で両校が激突。
大方の予想を覆し、先鋒、次鋒戦共に阿知賀が圧勝し、中堅戦では辛うじてメンバー入りを果たした初瀬と憧の直接対決となるが、憧はこれを制す。
副将戦も阿知賀が押さえ、大将戦では一度は晩成が追い付くものの、最後には穏乃が突き放して優勝。
全国大会出場の切符を手にした憧を、初瀬は素直に祝福するのだった。
前作の『咲/Saki』に比べると百合要素は少なめの『阿知賀編』だが、描きようによっては憧と初瀬の関係も美味しい題材になったかも知れない。
しかし落ちこぼれ気味の主人公が仲間たちの友情に支えられ、努力と根性で勝ち進むという王道スポ根モノという幹は外せず、また赤土晴絵にも裏主人公としてドラマの比重が置かれているので、副主人公格でありながら憧のドラマが今一つ薄くなっている感は否めない。
これが1クールくらいのドラマであったならば、もっと深掘り出来たのだろうけど。
最後は、原村和のいる清澄高校が全国大会への出場を決めたことを知った穏乃たちの姿でエンド。
続く劇場版で全国大会が描かれることになるが、『咲/Saki』の劇場版が清澄高校のメンバーが全国大会出場を決めたところで終わっているので、ようやく両シリーズの時系列が揃ったことになる。
今回クローズアップされている晩成高校のメンバーは、岡橋初瀬役が工藤美桜、小走やえ役が天木じゅん、丸瀬紀子役が其原有沙、上田良子役が北村優衣、巽由華役が川津明日香、それに初瀬の友人である車井百花役が岡崎百々子。
図らずも後のウルトラマンに仮面ライダー、スーパー戦隊のヒロインたちが並んでいる。
それにしてもこのシリーズ、本当に若手女優の見本市のような作品。
特典ディスクに収められているメイキングを見ても、皆仲良く和気あいあい。
というよりワチャワチャしてばかりで若干うるさい印象も受けるほど。