
「アニメ史入門」というタイトルから受ける印象とはちょっとかけ離れているかなあ。
日本におけるアニメーション作品の歴史を俯瞰するというより、その時代その時代の代表的作品の解説が主です。
なので、例えばその作品が後続の作品に与えた影響だとか、そういったものへ言及が殆どありません。
物心がついた頃はテレビまんがの黎明期で、青春時代がモロにアニメブームの真っ只中だった自分には、舌足らずというか、なんでもっと踏み込んで書かないんだというモヤモヤが残るというか、要は物凄くフラストレーションが残る一冊でした。
また仕方ないこととはいえ、最近(といってもここ20年くらいですが)の作品の比重が大きいのも「アニメ史」を称するならば若干の違和感が残るところです。
自分が体験しているということもありますが、もっと70年代中ごろから80年代の終わりぐらいまでの記述は多くあるべきでは?と感じてしまいます。
アニメ史を俯瞰して振り返るなら
『日本アニメ史/手塚治虫、宮崎駿、庵野秀明、新海誠らの100年』の方が良いし、アニメブーム勃興期を詳細に追いたければ
『アニメ大国建国紀1963-1973/テレビアニメを築いた先駆者たち』の方がオススメです。