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『アントマン&ワスプ/クアントマニア』(2023)

**** ネタバレ注意! ****

配信ドラマを見終わってないので個人的にはまだフェイズ4の真っ只中なのだが、これが<マーベル・シネマティック・ユニバース>フェイズ5の開幕作品。
そしてフェイズ4~6までを総括する<マルチバース・サーガ>のヴィラン、征服者カーンが本格的に参戦するというイベント映画でもある。

『アントマン&ワスプ/クアントマニア』(2023)_e0033570_19324625.jpgその大事なイベント映画に選ばれたのが何故「アントマン」なのかというと、それだけサーガ全体の鍵を握る重要なキャラクターだということらしいのだが、大掛かりなスケールの映画仕立てられた「アントマン」は、その良さを殺してしまってもいる。
地に足の着いた、観客にとって身近に感じられる親しみやすいキャラクター、それが「アントマン」の良さだと思うのだが、この作品ではアントマンたちの行動や決断がユニバースの存続に繋がってしまうような重荷を背負わされているのだ。

また物語の殆どが量子世界の中。
一見すると”小さな世界”の話ではあるのだが、実はこの世界にも様々な知的生命体が存在し、進んだ文明社会を形成しているのだ。
大きさ(この場合は”小ささ”か)を想起させるものは何もなく、画面には広大で煌びやかな世界が映し出されている。
イメージ的にはアントマンたちよりも、ガーディアンズ・オブ・ギャラクシーの面々を配した方がしっくりくる感じだ。

カーンの存在も微妙。
カーン自身は既に配信ドラマの『ロキ』でデビューしているが、厄介な存在ではあるものの具体的にどんな脅威があるのかとか、どれだけ強いのかはまだまだ伝わってこない。
最終的にはこのカーンとアベンジャーズのメンバーが対決することになるはずだが、そこまで大物なのかなというのが現時点での正直なところだ。

ポストクレジットシーンではロキとメビウスが登場し、この物語が『ロキ』シーズン2へ続くことを示唆して終わるが、劇場作品だけで配信ドラマを見ていない人にとっては、何故ロキが生きていてこの場面に出てくるのか、クエスチョンマークが頭の中で飛び交いそうだ。

フェイズ3があまりにも見事な締めくくりを見せたため、フェイズ4はどちらかというと期待外れの作品が多かったが、どうやらフェイズ5も過度な期待は禁物のようだ。
もっとも今後製作予定の作品も、粗製濫造だとの声もあって内容や製作・公開の時期の調整が既に入っているし、これからも見直しは行われるだろうから、じっくり取り組んで素晴らしい作品を作って欲しいし、杞憂であることを願いたい。

【ひとりごと】
『アントマン』『アントマン&ワスプ』でアビー・ライダー・フォートソンが演じていたキャシーは、『アベンジャーズ/エンドゲーム』では5年後という設定もあってエマ・ファーマンに交代していたが、今回は更にキャスリン・ニュートンにチェンジ。
エマ・ファーマンには悪いが『エンドゲーム』では違和感ばかりだったので、この変更は嬉しい。
それにキャスリン・ニュートンの方が、アビー・ライダー・フォートソンの面影がある。



Commented by ふじき78 at 2023-03-12 02:06 x
> 何故ロキが生きていてこの場面に出てくるのか

「宇宙戦艦ヤマト2」の西崎義展的な何かの力が……
Commented by odin2099 at 2023-03-13 22:44
> ふじき78さん

なんでロキが生きてるかは『アベンジャーズ/エンドゲーム』で一応の説明がある。
そして配信ドラマの『ロキ』を経てこの作品に繋がってくるし、その後は『ロキ』のシーズン2で描かれるはず。
上手い(あくどい)商売ではあるな。
by odin2099 | 2023-02-19 19:37 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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