『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』
2023年 03月 06日
とはいえ、この辺りから見直すのが段々と苦痛になってくる。

「ヘドウィグのテーマ」は流れるものの、やはり作品の雰囲気はかなり異なるものに。
それぞれの作曲家なりの良さはあるものの、最後までジョン・ウィリアムズだったらどうだったろうな、とはついつい考えてしまう。
さて本作では、ドレーレス・アンブリッジという新登場キャラクターが出色。
悪役は徹底的に嫌なヤツとして描かれているこのシリーズだが、その中でも厭らしさはシリーズ随一じゃないだろうか。
最初は嫌味を言う程度だったのが次第に権力を笠に着てやりたい放題で、ハリーたちを心理的にも肉体的にも痛めつける。
本作でようやくハリーと恋人同士になりかけたチョウ・チャンを破局させた遠因も、実は彼女にある。
怒りをグッと堪えるハリーと対照的に、意外や先にブチ切れるのがフレッドとジョージで、アンブリッジに堂々と悪戯を仕掛けると自ら颯爽と学校を去ってゆく。
<ファンタスティック・ビースト>シリーズの主人公ニート・スキャマンダーもかつてホグワーツを退学になった(らしい)のだが、退学処分になったとしても魔法界での地位を失う訳でもないのだろうか。
最後は割と可哀想な退場の仕方をするアンブリッジだが、彼女に同情する観客は殆どいないだろう。
一方その退場に誰もが涙するのがシリウス・ブラック。
前作では殆ど出番がなく、ようやくハリーとの絡みも増えてきた矢先での悲劇。
対ヴォルデモート戦線を維持する上でも大きな痛手で、戦力ダウンは否めない。
頑なにヴォルデモート復活を否定し続けてきた魔法省もとうとうその考えを改めざるを得なくなったのは朗報だが、闇の帝王との戦いは益々厳しさを増してゆくことを強く印象付ける結末となった。
【ひとこと】
共に再結成された不死鳥の騎士団のメンバーとなったシリウスとスネイプ。
ダンブルドアに促され渋々和解の握手を交わすというシーン、時間の関係か映画版では割愛されてしまったが、アラン・リックマンとゲイリー・オールドマンの二人がこの場面をどのように演じたか、ちょっと見てみたかった。
<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/6272143/
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