『丘の上の本屋さん』(2021)
2023年 03月 08日

好奇心旺盛な彼はたちまち読破し、リベロは少年に次々と本を貸し与えていく。
そしてエシエンの感想を聞きながらリベロは、色々な知識や物の見方、考え方を伝えていき、二人は年齢や国籍を超えた友情を培っていく。
風光明媚なイタリアの街並みが美しい。
そして古書店を訪れる個性豊かな、風変わりな客とのやり取りも楽しいイタリア映画。
監督はクラウディオ・ロッシ・マッシミ、出演はレモ・ジローネ、コッラード・フォルトゥーナ、ディディー・ローレンツ・チュンブ、モーニ・オヴァディア。
リベロがエシエンに与える本は『ミッキーマウス』に始まり、『ピノッキオの冒険』、『イソップ寓話集』、『星の王子さま』、『白鯨』、『密林の医師』、『アンクル・トムの小屋』、『白い牙』、『ロビンソン・クルーソー』、『ドン・キホーテ』、そして『世界人権宣言』。
やや説教臭い部分があることと、結末が途中で読めてしまう点にやや物足りなさを感じはするが、こんなお店でこんな人に出会いたかったな、というのが見終わっての率直な感想だ。
あるいは自分が歳を重ねた時に、誰かに想いを託せるような人物になりたい、というか。
ただ映画を見ていて一つだけ疑問に感じたのは、劇中で度々引用されるとある人物の日記の一節。
これがどういう意味を持つのか、リベロやエシエンとどのような関係があるのかがどうしてもわからなかった。