『科学忍者隊ガッチャマン』
2023年 03月 13日
今でも根強い人気があるものの、この劇場版は残念ながら大ヒットとはいかなかったようで。

ギャラクター出現から科学忍者隊の初陣から始まり、ガッチャマンこと大鷲の健とその生き別れの父=レッドインパルスの隊長との再会と別れ、それと余命幾許もないコンドルのジョーが死を賭してギャラクターの最終作戦を阻止しようとするまでを描いている。
劇場版公開は78年の7月だが、前年の10月には『宇宙戦艦ヤマト』同様にドラマ編LPが発売されているが、選択されたエピソードはほぼ同じ。
この時点で総集編の製作が決まっていたかはわからないが、方向性については共通認識が送り手受け手双方にあったと思われる。
また劇場版公開の前にはラジオドラマ版も放送されたが、こちらも同様の構成だったと記憶している。
テレビシリーズと違うのは、小林亜星が作曲した主題歌のメロデイこそ使われてはいるものの、BGMの担当がボブ佐久間からすぎやまこういちに交代したため作品全体の雰囲気がまるで別物になっていることと、コンドルのジョーの死が暈されている点。
これはおそらく劇場版公開後の10月から、続編シリーズ『科学忍者隊ガッチャマンII』の放送が決まっていたからだろう。
全体的に詰め込み過ぎて忙しない印象を与えてしまうことや、科学忍者隊の颯爽とした活躍場面があまり見られない点など『ガッチャマン』という作品の魅力を十分に伝えてるとは言い難い内容ではあるものの、アクション面を捨ててでも掬い取った人間ドラマの部分は見応えのあるものになっている。
テレビ放送や再上映の機会に恵まれず、リアルタイム世代以外にはあまり存在も知られていないのではないかと思うが、もう少し再評価の機運が高まれば、そう願っている。
【ひとこと】
総裁Xが地球に飛来し、男女の双子として生まれるはずの赤子をミュータントと化してから本編スタートまで三十有余年との説明があるが、してみるとベルクカッツェはアラサーを通り越してアラフォーだったのか…?
<過去記事>
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