『新世紀エヴァンゲリオン』#1
2023年 03月 26日
最初の劇場版の公開の時は勇んで劇場へ足を運んだが、そもそもテレビシリーズも全話見てるわけじゃないし、リメイクされた劇場版シリーズも一本目だけ。
<シン・ジャパン・ヒーローズ・ユニバース>も一区切りついたところだし、この際ちゃんと見てみることにする。
まずは第壱話「使徒、襲来」、第弐話「見知らぬ、天井」、第参話「鳴らない、電話」、第四話「雨、逃げ出した後」の4本を。

そしてまだワクワクなロボットアニメの第1話という雰囲気がある。
出てくるのは美女と美少女ばかりだし、ワケわからん戦いにいきなり駆り出される主人公。
疎遠だった父親とは何やら深刻な断絶があるようだし、こうしてみるとお話の流れとしては案外王道を行ってるんだなあというのがちょっと意外。
顔面ドアップの主役ロボとのご対面は兜甲児?!
そして主役ロボ出撃で「つづく」。
2話ではもう初陣は終わっているのだけれども、主人公が勝ったのか負けたのかは中盤まで曖昧に。
ここでいきなり「人類補完計画」などというものが出て来て、それは一体なんなんだ?と視聴者に思わせる。
これをさらっと流すのか、心にも留めないのか、或いはきっと後々の伏線になるだろうと食いつくかで早くも視聴者の選別が行われるのだ。
3話でようやく特務機関NERVとか特殊な組織で働く人だけでなく、第3新東京市に住む一般的な人々――シンジが転校した学校の生徒や教師たちが出てくることで、客観的な視点からの物語世界の説明がなされることになる。
またシンジとクラスメイトの交友を持ち込むことで、シンジの成長も描けるという寸法。
初対面ではぶつかるものの、後々に親友ポジに収まるのはよくある話。
4話からは段々と不穏な展開に。
やりたくないけど自分しかいない、だから自分は特別。
それを認めてくれないのは理不尽。
で、脱走。
前線から逃げる。
シンジの脱走は、まあアムロも辿った道だし、その後で周囲の人に少しずつ心を開いていくのも定番の流れ。
まだ明るく楽しい健全な(?)ロボットアニメだ、『エヴァンゲリオン』。

ご存知かもしれませんが、
過去に、
庵野秀明さんが永井豪さんと対談したことがあり、
その際に、
マジンガーのシーンをまんまやりました。
と、堂々と明言されていました。笑
なので、
初号機の暴走もマジンガーの暴走のオマージュだと思われ、
もしかしたら、
ネルフ本部がピラミッドの形状なのも、
光子力研究所のオマージュなのかも?
なんて私は思っています。
対談では他にも、
エヴァは、
デビルマンの呪縛から逃れられなかった。
デビルマンで感じた衝撃(恐怖)を伝えたかった。
みたいなことも仰っておりました。
それから、
初号機は目に赤いラインがあるけど、
あれは原作版マジンガーZにある赤い隈取りだそうで、
庵野さんのデザインした初号機のイメージイラストは、
まるでデビルマン(の体型)だったそうです。
(仕上げは別の人がやってるので面影はないけど)
やはり意図的だったんですね。
ただ『エヴァ』は『マジンガー』より『デビルマン』だとは感じてました。
『ウルトラ』の影はわかりますが、『ヤマト』や『ガンダム』からの影響は、少なくても直接的にはなさそうな…?

ヤマトやガンダムからの影響は分かりませんが、
庵野さんのインタビューや対談を読んでいて意外だったのが、エヴァへのウルトラマンの影響を質問されると・・・必ず否定をしているんです。
制作する際に「巨大ヒーローモノ」という漠然としたイメージはあったそうですが、巨大ヒーロー=ウルトラマンではありません!と断言をしていました。
要するに、
様々な設定や要素を組合せた結果、無意識に似てしまった・・・みたいな感じなのかな?と想像をしていますが、少なくとも、庵野さんの中では(エヴァとウルトラマンは)別物という認識のようです。
短絡的に「巨大ヒーローの代名詞」=「ウルトラマン」と言われたので、反発してみたくなったのかもしれませんね。
『ふしぎの海のナディア』はもっと直接的なウルトラマンからの引用があったようですが、同じことはしないというプライドの表れなのかもしれません。
そういや『ナディア』は『宇宙戦艦ヤマト』からの引用もありましたね。