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『刀剣乱舞/黎明』(2023)

実写映画「刀剣乱舞」の2作目だが、前作『映画刀剣乱舞/継承』の続編という訳ではなく、これはこれで別の話。
監督は前作に続いて耶雲哉治、脚本は小橋秀之と鋼屋ジン、出演は鈴木拡樹、荒牧慶彦、和田雅成、梅津瑞樹、佐藤たかみち、山本涼介、定本楓馬、小西詠斗、本田礼生、玉城裕規、秋田汐梨、中山咲月、柳美稀、飛永翼、津田寛治、堀内正美、竹財輝之助、柄本明。

『刀剣乱舞/黎明』(2023)_e0033570_20083954.jpg前作では本能寺の変に纏わる歴史改変を阻止する任にあたった刀剣男子たちだったが、今回は冒頭で平安京が映し出され、藤原道長、安倍晴明、源頼光に頼光四天王まで現れ、大江山の酒吞童子退治に出発するところから始まったので、てっきり平安時代のお話なのかと思っていると、アバンタイトルが終ると時代は一気に下って2012年。
この時代で、時間遡行軍は一体何を企んでいるのか?――という物語となる。

正直言って今回は微妙。
三日月宗近と仮の主となる女子高校生とのドタバタ劇も、鈴木拡樹秋田汐梨の好演もあって微笑ましく見ていられるのだが、やはり現代日本(といいつつ何故か11年前なのだが)を舞台にすると勝手が違うようだ。
そもそもこの時代で何か起こったとしても、我々の知る歴史が変わってしまうかもというスリリングさがない。

また平安の世から現代にまで続く酒天童子の呪いというか怨念と、この”鬼”と協力関係にあるはずの時間遡行軍との温度差の違いや、これでもかと物量作戦で来る時間遡行軍に対し、多勢に無勢の刀剣男子たちという構図がずっと続くので、悲壮感は味わえるものの次第に飽きが来てしまう。

その分、最後の最後には形勢逆転の展開が待ってはいるのだが、そのクライマックスは渋谷のスクランブル交差点での大立ち回り。
ここは確か栃木県に再現されたセットに実景をCG合成しているはずだが、見慣れた風景に大勢のエキストラ、そして時間遡行軍と刀剣男子たちが大暴れする様は確かに見応えがある。

途中で渋谷からスカイツリーへと一気に場面転換する不自然さに目を瞑れば迫力はあるのだが、ラストバトルにお涙頂戴系の要素を盛り込んでいるので感情的にはどうにもスッキリしない。
回収しそこなったか、或いは自分が見落とした伏線が残っているかのようなラストシーンも今一つ。
もし3作目が作られるなら、出来れば1作目のテイストに戻して欲しいものである。


Commented by ふじき78 at 2023-05-24 22:35 x
現代と刀剣の組み合わせが良くなくて、単にコスプレに見えてしまう。多分、明治でも大正でも平服が明らかに今と違う体系であるならコスプレというより特殊服のように見えてくるのだろうけど。
Commented by odin2099 at 2023-05-27 08:32
> ふじき78さん

アニメや舞台だと「ファンタジー」ということで乗り切れても
実写の映像だとなかなかキツイ部分もあるよね。
by odin2099 | 2023-04-05 20:10 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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