舞台『仁義なき幕末/令和激闘篇』
2023年 05月 06日
作・演出は毛利亘宏(少年社中)、出演は和田琢磨、松田凌、水谷果穂、石黒英雄、本田礼生、小野健斗、木津つばさ、吉田メタル、荒川ちか、岡宏明、柏木佑介、赤澤燈、鈴木勝吾、ナレーションは矢崎広。

……ではなく、幕末から連れてこられた坂本龍馬だった。
だが彼だけでなく、中岡慎太郎や桂小五郎、新選組の土方歳三、原田左之助、沖田総司、更には死んだ筈の伊達までもが…。
今度は恭次と龍馬が入れ替わるというストーリーで、一平と伊達は映画版のラストからそのままスライドしているようだが、他の面々はそれぞれ別の時間から召喚されているようだ。
映画版では龍馬は殺されるが、舞台版では反対に恭次が身代わりとなって死んでいる。
映画版では新選組の一員となっている一平だが、舞台版では一平と出会う前の土方らが現代に飛ばされてくる、といった具合だ。
またヒロインとして一平の妹で恭次の恋人だという小夜というキャラクターが出てくるが、映画版には全く存在していなかったので、全体的に舞台版だけ見ている人には舌足らずの部分があるし(一平が弟分をみすみす死なせてしまったエピソードなど)、両方を見ている人は「あれ?そんな展開だったっけ」と混乱しかねない。
ただ殺陣は迫力があったし、水谷果歩は可愛かったし、映画版よりもストーリーはわかりやすくなっていたように思う。
しかし相も変わらずムビ×ステで描かれる物語は殺伐としていて、人が死に過ぎる。
今回もメインキャラでは(童子を除けば)小夜しか生き残らない。
一本ぐらい明るく楽しいハッピーエンドを迎える作品があっても良さそうなものだが。
それに映画版と舞台版の相乗効果を狙うなら、同時期に上映・上演するのが望ましいのでは?
映画の続きが気になるなら舞台を、舞台を見てもっと深く関係性を知りたくなったら映画を、それぞれ見に行ける環境がやはり必要だ。
今回の舞台を見て映画版に興味を持っても、ソフト化されるのは今年の暮だ。
それでは”後”に続かないのでは?と勿体なく思う。
ちなみにサンシャイン劇場、自分が見た回は1階席の後方と2階席には客を入れてなかったようだが、何らかの都合か、それともチケットが捌けなかったのか。