『新世紀エヴァンゲリオン』#6
2023年 05月 14日
『エヴァンゲリオン』を楽しく見ていられるのは、やはり1クール目くらいまでだなあ。
2クール目に入ると、途端に暗く重たくなってくる。

これまで他人との接触を拒絶していたのに、シンジにだけは特別な想いを抱き始めたレイ。
これにリツコが抱える秘密、加持が抱える秘密、ミサトが抱える秘密が絡んでくる。
そんな中では、やれゼーレがどーの、NERVがこーの、というのは些細な問題に思えてくる。
謎解きもようやく核心に近づいたかに見えたが、見事に肩透かし。
人類補完計画も、使徒の正体や目的も、死海文書やロンギヌスの槍も何が何やらサッパリだ。
そして最後に登場する渚カヲル。
全てを知っているようで、その全てを解説してくれる存在かと期待していると、こちらも思わせぶりな台詞を吐いて退場。
アダムの存在も、アダムから作り出されしエヴァの謎も明かされることはない。
カヲルはアダムを見て「アダムではなくリリス」と呼んだが、その意味の説明もない。
逆に、劇中で語られなかった分ファンが謎解きに熱中し、自分なりの考察を試み、それこそ”補完”に躍起になったことが社会現象化したのだろう。
『宇宙戦艦ヤマト』も『機動戦士ガンダム』も打ち切りによって、その語られなかった物語を埋めようというファンのパワーが作品に命を吹き込んだ。