『ハリー・ポッターと呪いの子 舞台脚本<愛蔵版>』 J・K・ローリング
2023年 05月 15日
おそらくト書きだけではイメージ出来なかった部分も、舞台版を見た後だと「なるほど、こういう風に表現したのか」と受け入れられるし、舞台版を見ただけでは気付かなかったり、よくわからなかった部分も台本を読むことで補完出来るようになっていた。
ただ、当然ながら舞台脚本=舞台版ではない。
大筋は同じながらも差異はある。
そもそもこの出版された脚本が、どの段階のものなのか、という点も気になる。
この脚本を言わば叩き台としてブラッシュアップし、実際の上演台本として作り上げたものが使われているのか、それとも初演、再演と重ねていくうちに手を加えていったのか、あるいは日本上演版台本を作る際にアレンジを施したのだろうか。
まあ舞台と言うものは生もので例え演出が同じでも演じる役者によってキャラクターは変わるし、同じ役者が演じる場合もアドリブを挟んだりあるいはハプニングが起こったりで昨日と今日の公演でも(何なら同じ日の昼の部と夜の部でも)違いが生じるもの。
それもまた生のお芝居を見る愉しみでもあるのだから、これから舞台版を見ようと思っている人や、既に舞台版を鑑賞した人は、この台本も読んで比べてみるのも一興かと。
ところで先ごろ『ハリー・ポッター』シリーズのリブートが発表されたが、どうやらこの作品は映像化の対象に(今のところ)入っていないようだ。
いきなり19年後の物語まで含めての映像化は無理があるだろうが、実はあと数年でダニエル・ラドクリフらの実年齢がこの作品時点でのキャラクターたちの年齢に追いつく。
となると可能な限りオリジナルキャストを招集しての映画化にも期待したくなるのだが、ハリーとジニー、ドラコは兎も角、ハーマイオニーやロンは再演したくなるほど魅力的に描かれているかというと疑問符が付くし、ネックはやはりスネイプだろうな(ダンブルドアやマクゴナガルもだろうが)。