『ウィロー』オリジナルシリーズ その2
2023年 05月 21日

といっても個性的なキャラクターたちの集うパーティは賑やかだがまとまりがなく、エローラに秘められた魔法の力はなかなか覚醒せず、肝心のウィローも頼りないのでなかなか先へと進まず、犠牲者だけが出る。
停滞している原因は、妨害よりも内輪もめの方が大きい。
そうこうしている中で各人の抱えている秘密や過去の一端が次々と明らかに。
ウィローはたった一度の偶然の勝利によって”偉大な魔法使い”との名声を得るが、本当は自分にそんな力がないことを知りつつも周囲を欺き、また衰えゆく魔法の力に怯えている。
またエローラを幼い頃から訓練すべきと考えていたが、ソーシャ女王の手前、強硬に主張できなかったという後悔の念を抱いている。
ルークなのかと思ったら、オビ=ワンとも似た境遇だった。
グレイドンは闇に憑りつかれていたとはいえ、敬愛する兄をその手で殺した過去がある。
臆病で小心者、そしてやる気のなさやどこか達観した態度をとっているのはそのせい。
またキットの婚約者でありながらも、エローラに惹かれていく自分を押さえられない。
ボーマンはかつて盗賊団ボーンリーバーの仲間で、リーダーのスコーピオとは恋仲だったことがあり、ジェイドはスコーピオの妹で、あのケール将軍の娘。
親の仇はボーンリーバーではなく、マッドマーディガンやティア・アスリーンの兵士たちだったことを知り、これまでとは価値観が一変して葛藤を抱え、キットは、ジェイドが自分に対して抱いている想いを知りながらもそれを無視し、偽りの感情を抱いて生きてきたことで蟠りが出来てしまう。
そしてエローラは…。
ヒロインの聖女は清楚どころかビッチだし、もう一人のお姫様の方はレズビアンだし、王子様その1は囚われたまんまでなかなか出てこないし、王子様その2は勝手に一人で三角関係を築いてるし、単純な続編にはしたくなかったのだろうが随分と複雑な人物相関図を描いたものだ。
ウィローもルーク以上に役立たずだけど、一応は彼が主人公なんだろうなあ。