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『クリード/過去の逆襲』(2023)

『クリード/過去の逆襲』(2023)_e0033570_21033603.jpgチャンピオンのまま引退したアドニスは、今は現役チャンピオンのチャベスを育て、妻ビアンカは歌手からプロデューサーへと転身を図るなど家族は転機を迎えていた。
ビアンカは進行性の聴覚障害を抱え、娘のアマーラは聾唖者、養母のメアリー・アンは健康面に不安があるものの幸せな生活を送っているアドニスの前に、グループホームに収容されていた頃に兄同然だったデイムが姿を見せた。
彼はとある事件でアドニスを庇う形で逮捕され、18年もの間服役していたのだ。
かつて地下ボクシングのチャンピオンだったデイムは未だに夢を捨てず、プロデビューとチャベスとの対戦を熱望する。
そして手段を選ばずタイトルマッチを実現させると、チャベスを叩きのめすのだった。
封印したはずの過去の亡霊が甦る中、かつての親友を止めるべくアドニスは現役復帰を決意する。

<ロッキー・サーガ>の最新作で『クリード』シリーズの3作目。
プロデューサーとして名前は残っているものの、遂にシリーズからロッキー=シルベスター・スタローンが消えた。
製作陣との確執が原因とのことだが、まことに残念なことだ。

今作では主演のマイケル・B・ジョーダンが監督としてもデビュー、手堅い演出を見せてくれ楽しませてくれるのだが、ロッキーの不在は大きい。
再起を目指すアドニスの傍らには、カメオであってもロッキーがいて欲しかった。
ドラコの息子が出てきただけに、ロッキーの近況について全く触れられないのも不自然である。

またストーリーも、頂点を極めたアドニスが過去の自分と向き合うというテーマそのものは良いのだが、デイムとのエピソードも取って付けた感が強い。
これだけの負い目を感じながら、これまでそんな素振りを見せなかったアドニスが、自分勝手で冷酷なヤツに見えてしまう点もマイナスだ。
前作が良かっただけに、これが<ロッキー・サーガ>の最終作になるとしたらちょっと寂しい。
ボクシングに憧れるアマーラを主人公にした更なるスピンオフなど、まだまだ続けようと思えば続けられるだろうが。

【ひとりごと】
映画本編が終った後、日本のアニメが大好きだというマイケル・B・ジョーダンが作った未来を舞台にしたSFアニメ版『クリード』の短編(というかプロモーションビデオか)が流れるのだが、ハッキリ言って意味不明。
何をどうしたいのだろう?


by odin2099 | 2023-06-05 21:07 |  映画感想<カ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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