人気ブログランキング | 話題のタグを見る

『少年探偵団 かぶと虫の妖奇』(1957)

東映の<少年探偵団>シリーズ三作目で、二十面相の大胆な脱獄劇から幕を開ける。
司法長官が刑務所を視察に来るタイミングで看守に化け、ヘリコプターで脱出するなど仕掛けは大きい。
そして再び原子炉設計図を狙うのだが、そうはさせじと明智小五郎が立ち塞がる。

『少年探偵団 かぶと虫の妖奇』(1957)_e0033570_20580830.jpg少年探偵団は今回は自発的に行動し、明智小五郎とはあまり連携を取っていない。
明智が一歩引いてる感もあり、これは探偵団の扱いを大きくしようという配慮だろうか。

明智小五郎は前作、前々作に引き続いて岡田英次が演じているが、今回二十面相に扮しているのは加藤嘉。
後年の老け役としての姿しか知らないもので、若々しい姿はどうもピンとこない。

また二十面相は原作では残酷な振る舞いはしない”紳士”として描かれているはずだが、この映画シリーズでは必ずしもそうではないようで、目的の為なら手段を選ばず、芝居がかった高笑いをする様はかなり下品な印象を受ける。

対する明智探偵も大言壮語しながら後手後手に回るのは相変わらずだが、今回は最後に二十面相の裏をかいて追い詰める。
しかし二十面相もさる者、秘密兵器を繰り出して…というところで次回へと続く。

ところで二十面相は、明智や探偵団と連絡を取る際にはテレビの第八チャンネルを使用しているが、この映画の公開当時はまだフジテレビが開局前だったのだなあ。
by odin2099 | 2023-06-09 21:31 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
カレンダー
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30