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『ノートルダムの鐘』(1996)

冷酷な判事フロローにジプシーだった母を殺されノートルダム大聖堂の鐘楼に閉じ込められたカジモドは、醜いながらも心優しい青年に育ち、塔の上から街を眺め自由に憧れていた。
年に一度の祭りの日、我慢できなくなったカジモドはそこを抜け出し、街で美しいジプシー女のエスメラルダと出会って恋に落ちる。
だがジプシーを目の仇にするフロローによって窮地に陥った彼女を、カジモドは匿うことになるのだが…。

『ノートルダムの鐘』(1996)_e0033570_19141881.jpgヴィクトル・ユーゴーの『ノートルダム・ド・パリ』を原作にしたディズニーアニメだが、ホラー映画、モンスター映画としてのイメージしかなかったので、映画化の報を聞いた時はビックリ。
そして多少ソフトな描写になっているとはいえ、やはり醜悪な外見を持つキャラクターを主人公に据えたことも驚いた。

ヒロインのエスメラルダも清楚ではなく妖艶なファム・ファタールとして描かれているし、カジモドの恋敵となるフィーバスは実直なカジモドとは対極のチャラ男。
またフロローが自分の絶対正義を信じているヴィランというのも目新しいし、エスメラルダへの執着も邪な情欲の果てとも受け取れるなど全体的にアダルティな雰囲気に満ちている。
原作に比べるとかなりのハッピーエンドのようだが、それでもエスメラルダはカジモドではなくハンサムなフィーバスと結ばれるなど、いくらディズニーアニメといえどもそこまで甘くはなかった。

リトル・マーメイド』以降、『美女と野獣』、『アラジン』、『ライオン・キング』、『ポカホンタス』と続くディズニー・ルネサンスと呼ばれる作品群の一本だが、前作の『ポカホンタス』あたりから興行成績には陰りが。
この作品も当時劇場で見ているのだが、アラン・メンケンの手掛けた楽曲を含めて全然記憶に残っていない。
やはりストーリーの暗さやキャラクターデザインへの嫌悪感が強かったのだろうな。

劇場では字幕スーパー版を選んだが、今回は日本語吹替版をチョイス。
この吹替版、浅利慶太が演出を担当し、出演者は劇団四季の俳優たちという点でかなりの異色作、というか野心作。
独自の日本版としてのクオリティは高い反面、プロの声優ではないために台詞回しはどうしても違和感が拭えない。

ところで自社のアニメの実写化を積極的に進めているディズニーだが、果たしてこのポリコレの塊のような作品も、何れ実写化されるのだろうか?


by odin2099 | 2023-06-13 19:18 |  映画感想<ナ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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