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『沈黙の艦隊』(1995)

『沈黙の艦隊』(1995)_e0033570_20193553.jpg海江田艦長の指揮する潜水艦”やまなみ”が沈没、乗員は全て死亡と発表された。
だが海江田の同期でライバルである”たつなみ”艦長の深町は、この一件に疑念を抱いていた。
実は海江田たちは、日米が共同で極秘に開発していた日本初の原潜”シーバット”の乗員となるべく、死を偽装していたのだ。
米国第七艦隊の所属となった”シーバット”は試験航海に出るが、突如米艦隊の目をくらまして逃亡。
海江田を国家元首とする独立国”やまと”を宣言する。

かわぐちかいじの漫画を、脚本:吉川惣司、監督:高橋良輔のコンビでアニメ化。
元々はテレビの特番枠での放送を予定していたようだが、それに先駆けてビデオがリリースされているのでOVA扱いとしておく。

先にラジオドラマ版に馴染んでいたのでキャストが今一つイメージと違う気がした(海江田は風間杜夫から津嘉山正種に、深町は原康義から大塚明夫へ交代)のと、劇中で流れるモーツァルトのシンフォニーが、何故か原作及びラジオドラマ版の41番ではなく40番なのが気になっていたのだが、改めて見てみると重厚な脚本に重厚な演出、おまけに音楽は千住明だし、若干のダイジェスト感はあるものの面白い。
効果は柏原満なので、どことなく”やまと”ならぬ”ヤマト”っぽい。

日米安保の見直し、自衛隊の憲法解釈、軍国主義復活の懸念等々、扱っているテーマも十分に今日的だ。
というより、今こそしっかり向き合わねばならない問題を数多く内包している作品だというべきか。
今年は遂に実写映画化されるが、思いの外タイムリーな映画になりそうな予感もあり、期待半分不安半分で公開を待ちたい。


by odin2099 | 2023-07-13 20:26 | ビデオ | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
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