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『タイタンの戦い』

先日オリジナル版の『タイタンの戦い』を見直したので、今度はリメイク版を見直してみることに。

『タイタンの戦い』_e0033570_22362774.jpgペルセウスは自分の出自を認めないし、家族(養父母と義妹)を奪った神を許せず、半神半人ということで差別を受けたこともあったりで、神々の助力を決して受けようとしない頑固者だからヒーロー(英雄)としてはなかなか機能しないし、アルゴスの国王夫妻は民よりも我が子可愛さが先に立つ親バカぶりだし、その中でいくら人道的な行為を行おうとアンドロメダはヒロインになれないし…。

どこか大らかな英雄譚だった旧作に比べ、よりドラマティックになってはいるものの、より殺伐としたアクション映画になってる新作。
どっちが良いかと言われると、ねえ。

おまけに旧作にあったお色気シーンは全くなし。
代わりに、最初は嫌々ペルセウスに付き従っていたパーティの仲間たちが次第に彼を認め、”戦友”という固い絆で結ばれていく漢の友情物語が強調されていくのだが、神話ベースの物語としては少々違和感が。

また旧作ではアンドロメダの許婚だったカリボスは、今回はペルセウスの父親。
いや、正確にはペルセウスの母親の夫アクリシス王の変身。
王はゼウスに反抗したために、ゼウスは彼に化けて王妃ダナエを妊娠させ、これに怒った王は妻と生まれたばかりの赤子を処刑。
だがゼウスへの恨みは尽きず、今度は生きていたペルセウスを復讐のために付け狙うという役回りで、まあこれは面白いアレンジだとは思うが、もはやカリボスではない。

ギリシャ神話の映画化ならばいくらでもネタがありそうなものだが、何故よりによって『タイタンの戦い』をリメイクしようと思ったのだろうか。
称賛よりも非難の方が多くなりそうな企画だと、誰かブレーキを踏む人はいなかったものか。

<過去記事>
https://odin2099.exblog.jp/12603770/


by odin2099 | 2023-09-04 22:32 |  映画感想<タ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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