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『スーパージャイアンツ/人工衛星と人類の破滅』(1957)

『スーパージャイアンツ/人工衛星と人類の破滅』(1957)_e0033570_21320641.jpg宇宙をパトロール中に怪しげな人工衛星を発見したスーパージャイアンツは、何者かが地球観測に託けて人工衛星を兵器に転用しようと企んでいるのではないかと危惧する。
折しも日本各地の天文台や気象観測所では、原因不明の事故が続発していた。

冒頭にソ連が人工衛星の打ち上げに成功した旨が語られるが、スプートニク1号が打ち上げられたのは映画公開の2カ月ほど前。
ということは製作中の正にホットなニュースだったことになる。
だがこれを宇宙時代到来と肯定的にとらえるのではなく、軍事利用への警鐘へ結び付けているのは先見の明か。

その人工衛星を悪用しようとしているのは宇宙人ではなく謎の秘密国家で、劇中では”ナチスのような”と形容されているが関係は不明。
またソ連の人工衛星ではなくこの国家が独自に打ち上げたものなので、ソ連を悪役もしくは被害者にせずに済んでいる。

またこの人工衛星、デザインはいわゆる宇宙ステーションのイメージだし、自由に宇宙を航行しているのだから、むしろ宇宙船だ。
当時の認識はこんなものだったのだろうか。

宇宙艇推進機発射装置を設計した博士とその子供たち(ヒロイン役は三ツ矢歌子だ)を救出すべく、人工衛星へ急行するスーパージャイアンツ。
だがそれを目前にして撃墜され、スーパージャイアンツの生死は不明なまま幕。
しかもエンドマークも何もなく、唐突に終わるので見ている方は驚きっぱなしだ。

by odin2099 | 2023-09-28 22:14 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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