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『私がやりました』(2023)

『私がやりました』(2023)_e0033570_09042657.jpg無名女優のマドレーヌは著名なプロデューサーのモンフェランに呼び出されたのだが、端役と引き換えに愛人契約を持ち出されて憤慨して帰宅する。
ところがその後モンフェランが何者かに殺害され、マドレーヌは重要参考人にされてしまう。
金品目当てに捨てられた愛人が殺害したと推量した判事だったが、マドレーヌのルームメイトである駆け出しの弁護士ポーリーヌは、強姦されそうになって止むを得ず殺人を犯したというストーリーを用意。
マドレーヌは噓の自白をし逮捕され、裁判で争われることになった。
検察側はあの手この手でマドレーヌを貶め、有罪にしようと目論むが、ポーリーヌはこれに毅然と立ち向かい、見事に正当防衛での無罪を勝ち取る。
一躍時の人となった二人の元には取材や仕事のオファーが次々と舞い込むが、そこに今は落ちぶれた往年の大女優オデットが現れ、モンフェラン殺しの真犯人は自分だと告げ、二人が手にした富と名声を返せと要求してくる。

法廷サスペンス物の要素もあるけれども、かなりエスプリの効いた上質のコメディで、監督はフランソワ・オゾン
ヒロインは二人組で、一人はブロンドでもう一人はブルネット、一人は白痴的グラマーでもう一人は知的なスレンダーと、典型的なハリウッドのステレオタイプとして色分けしてる時点で痛烈な皮肉だ。
時代設定は1935年だが、彼女たちは極めて現代的な”強い女”なのである。
そしてどちらも可愛い。

マドレーヌ役のナディア・テレスキウィッツは途中で胸元を開けてくれるのでビックリだし、ポーリーヌ役のレベッカ・マルデールと一緒に入浴シーンがあったりでサービス精神も。
周囲からは好奇な目を向けられながらも、二人に同性愛的な描写を入れなかったのも良い。

この二人に振舞わされるダニー・ブーン、ファブリス・ルキーニ、アンドレ・デュソリエ、エドゥアール・スルピスといった男性陣の情けなさが光るし、圧巻なのは往年の大女優を演じたイザベル・ユペール
胡散臭さ満点だし、この人が出てくると画面が一気に締まる。
それでいてトラブルメーカーではあるものの、意外といい人だったりで一番の儲け役だ。

最後は割とあっさり終わるのが予定調和で物足りないが、エンドロールで主要キャラクターの「その後」を新聞記事という形式で紹介していくのだが、ヒロインたちはハッピーな結末を迎えるものの、ロクでもない奴はやっぱりロクでもないし、イイ人そうだった人も軒並み転落人生を送っていて、これまた痛烈なしっぺ返し。
侮れないなあ、この監督の作品は。


by odin2099 | 2023-11-09 21:27 |  映画感想<ワ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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