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『YAMATO meets Classics 宮川泰×羽田健太郎 二人の宇宙戦艦ヤマト』

『YAMATO meets Classics 宮川泰×羽田健太郎 二人の宇宙戦艦ヤマト』_e0033570_09032967.jpg福岡や姫路、大阪などでも公演されてきたプログラムが、やっと東京に上陸。
ということで昼夜二公演とも何とかチケットを取り(一次は玉砕し二次でGET)、参戦。
会場は初台の東京オペラシティコンサートホール、指揮は勿論この人、宮川彬良、ヴァイオリンは篠崎史紀(”まろ”)、ピアノはご息女・宮川知子、スキャットは林美智子、そして演奏は東京フィルハーモニー交響楽団。
そして客席には見知った顔がチラホラ。

第一部の前半はアキラさんとまろさんのトークショー。
昼の部と夜の部では内容をちょっと変えていたが、「ヤマト」の原体験として「ウルトラマン」と「ウルトラセブン」の主題歌、そして「ヤマト」に影響を与えた作品として「サンダーバード」のテーマをトークを交えながら披露。
「ヤマト」のコンサートでありながら、なかなか「ヤマト」に辿り着けない、というあたりが面白いところでしょう。
最後には「イスカンダル」を室内楽形式で披露して締め。
多分昼も夜も予定よりこのコーナー、長かったんでしょうね。
コンサート全体が予定時間よりオーバーしていました。

一部の後半は「組曲宇宙戦艦ヤマト」。
元々これは吹奏楽用に編まれたものだったと思いますが、それのオーケストラ版です。
序曲」「宇宙戦艦ヤマト」「出撃」「大いなる愛」の4曲で構成されているのですが、今回は3曲目に「イスカンダル」を挟む5曲での構成。
アキラさんが手を加えてからはこの5曲版がスタンダードになった印象があります。
「イスカンダル」はこのプログラムで2回目の演奏。
「交響曲」でまた使われますので、都合3回演奏されることになります。

二部は「交響曲宇宙戦艦ヤマト」。
羽田健太郎のオリジナル版での演奏(最後に西崎プロデューサーの希望による”ダメ押し”がないヴァージョン)が続いているような気がしますが、今回はCDなどでもおなじみの初演版でした。
昼の部では所々記憶が飛んだりもしましたが、夜の部はしっかりと最初から最後まで愉しみました。
やはりドッペルコンチェルトは迫力がありますし、『宇宙戦艦ヤマト復活篇』の劇中で使用されてからこの曲に対するイメージが違ってきたように思います。

アンコールは「真赤なスカーフ」。
「交響組曲」版に近いですが、ヴァイオリンをフューチャーした新アレンジで、こういう解釈もありなんだなと驚かされました。
欲を言えばもう一回「宇宙戦艦ヤマト」の主題歌を聴きたかったものですが。

ところで最近の演奏で気になっているのがスキャット?ヴォカリーズ?のこと。
純然たるクラシック音楽として作曲されている「交響曲」版は致し方ないと思うのですが、今回の「組曲」版のような作品の場合、ソプラノ歌手に歌わせるとオリジナルの川島和子版の持つあの透明感、”宇宙のお葬式”と呼ばれた「得も言われぬ美しさ」がどうしても再現出来ていないと思うのです。
クラシック畑ではなく、せめてYuccaのようなヴォーカリストに歌っていただきたいのですが……無理なんですかね。
個人的には是非とも”クリスタルヴォイス”の持ち主、元劇団四季の沼尾みゆきに歌って欲しいと願っています。

ところで昼の部は中央の後方、やや右寄りの席で聴いていたのでさほど気にならなかったのですが、夜の部は前方の左端で聴いていたせいか音のバランスの悪さが気になりました。
リズムが合わないというか、音がズレて聴こえるというか。
見切れ席もあって、ここは個人的にはどうも良い印象がないコンサート会場です。


Commented by まじかるぱす at 2023-11-11 09:52 x
>> 元々これは吹奏楽用に編まれたものだったと思いますが

 勘違いされやすいのですが、『組曲 宇宙戦艦ヤマト』はオーケストラ版がオリジナルで、故・宮川泰先生が、ヤマトのシリーズが終わった後の時期にご自身のオーケストラコンサートで度々演奏されていた作品なのです。それを後になって(宮川泰先生のアルバム『THE HIT PARRADE』の時だと思いますが)彬良さんが吹奏楽版にアレンジされています。
Commented by odin2099 at 2023-11-11 19:02
> まじかるぱすさん

ああ、そうなんですね。
「交響組曲」のダイジェスト版みたいなものの存在は聞いたことがあったんですが、実際に演奏を聴いたことはなかったので別物なのかと思ってましたが、同じものだったのですね。
ご教授、ありがとうございました。
by odin2099 | 2023-11-10 20:41 | 音楽 | Trackback | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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