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『続・激突!/カージャック』(1974)

ルー・ジーンは、前科があることで養育権を取り上げられてしまった息子を取り戻そうと、服役中の夫クロヴィスに脱獄を持ち掛ける。
出所を4カ月後に控えたクロヴィスは反対するが、離婚を切り出されて渋々人の好い老人の車を乗っ取り、息子が保護されているシュガーランドを目指す。
途中で交通違反を起こしパトカーに追跡されるが、脱獄がバレたと勘違いした二人は今度はパトカーを奪い、警官を人質にして逃走する。

『続・激突!/カージャック』(1974)_e0033570_21221157.jpgこれがスティーブン・スピルバーグ監督のデビュー作で、実際に起こった事件を基にしている(最後に登場人物たちの「その後」が説明されるなど、実話のように描かれてはいるが)。

出演はゴールディ・ホーン、ベン・ジョンソン、ウィリアム・アザートン、マイケル・サックス。
ジョージ・ルーカス、マーティン・スコセッシ、ブライアン・デ・パルマ、ジョン・ミリアス、フランシス・フォード・コッポラと”お仲間”の作品を続けて見てきたけれど、今回のスピルバーグでそれも一区切りだ。

この作品の前に日本ではスピルバーグの監督作品として『激突!』が公開されているが、あれはテレビ用映画なので劇場用作品としてのデビュー作はこちらになる。
音楽のジョン・ウィリアムズとのコラボもこの作品からで、製作のデイヴィッド・ブラウンリチャード・D・ザナックの下で撮られた次回作が『JAWS/ジョーズ』である。
なお邦題には『続』とあるが、日本で勝手に続編扱いしただけで、全くの無関係だ。

この作品も30年ぐらい前に一度見ているが、メモには「粗削りながらも味わいのある一本。ゴールディ・ホーン以外の役者に魅力はないが、それもまたスピルバーグらしさか。自分勝手で無軌道な女に振り回される人間模様」と記してあったが、今見ると彼らを追跡するタナー警部役のベン・ジョンソンの、決して前面に出過ぎない存在感に圧倒される。
そしてゴールディ・ホーンは確かに可愛い。

文字通りのカージャック事件が題材なのだが、犯人の若夫婦があまりにも世間知らずで子供っぽく、また人質になっている警官も次第に犯人に同情的になっていったり、時折クスっと笑える場面があり、BGMが終始長閑なムードを奏でているので深刻さや殺伐とした雰囲気はない。

また追跡するパトカーや、興味本位で追いかける野次馬や報道関係の車両をゾロゾロと引き連れての逃避行は、どことなくユーモラスだ。
最後はアメリカン・ニューシネマらしい結末を迎えるのだが、犯罪者であっても一般庶民からはヒーロー扱いされるのはアメリカならではなのだろうか。


by odin2099 | 2023-11-29 21:25 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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