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『空想特撮シリーズ ウルトラマン4Kディスカバリー/生命のものがたり』(2023)

この秋は円谷プロはお祭り状態で、何かしら映画館で上映している。
しかもほぼ新作なし(ドキュメンタリー映画だけ)の旧作再利用だから、コストパフォーマンスは良さそう。
そんな中で、なんか「ウルトラマン」の映画やるらしいぞ程度の認識で、殆ど予備知識なしの状態でこの作品を見てきた。

石坂浩二が不思議な映画館の劇場支配人に扮し、観客として訪れた謎の少女に、テーマを決めながら『ウルトラマン』という作品の魅力を伝えながら一緒に鑑賞するというフォーマットの作品らしい。
テーマは「生命」「浪漫」「仲間」「正義」の4つで、そのうちの「生命」編を先行上映したとのこと。
ということは来年以降、順次他の3作品もお披露目されるということか。
『空想特撮シリーズ ウルトラマン4Kディスカバリー/生命のものがたり』(2023)_e0033570_17430001.jpg
で、今回使用されているのは第1話「ウルトラ作戦第一号」、第2話「侵略者を撃て」、第35話「怪獣墓場」、そして第39話(最終回)「さらばウルトラマン」の4本。
各エピソードを丸ごと上映し、その合間合間での支配人と少女との会話を通じて色々と考えてもらおうという趣向のようで、長年親しまれてきた『ウルトラマン』という作品ならではの斬新な切り口だ。

贖罪のためハヤタと生命を共有し、一心同体となるウルトラマン。
「生命、ワカラナイ。生命トハナニカ?」我らとは生命に関する認識が異なるであろうバルタン星人。
宇宙にある怪獣墓場から甦った亡霊怪獣シーボーズ。
生命を二つ持ってきてそれぞれウルトラマンとハヤタに与え、二人を蘇生、分離したゾフィー。
何れも”生命”について考えさせられるエピソードが選ばれている。

これまでも『ウルトラマン』のエピソードを繋いだオムニバス映画は3本程あるが、それとは一線を画す構成で、単純に怪獣の大暴れが見たい、ウルトラマンの活躍を愉しみたいという層には刺さらないだろうが、『ウルトラマン』という作品は他のヒーロー番組とは何か違う、もっと掘り下げたいと思ってる人や、逆に『ウルトラマン』には何の関心も持っていない人にちょっと見て貰いたいな、と思う。
by odin2099 | 2023-12-03 17:44 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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