『アイランド』（1980）

バハマ諸島でここ数年、数多くの船舶が行方不明になっていることに興味を持った記者のメイナードは、息子を伴い調査に向かう。
島に住む海洋学者にヨットを借りて、二人は海へと繰り出すのだが、そこに奇怪な集団が現れて息子共々囚われの身になってしまう。
その集団は外界と交わることなく暮らしてきた海賊の集団だった。

『ＪＡＷＳ／ジョーズ』、『ザ・ディープ』に続くピーター・ベンチリーのベストセラー小説を、ベンチリー自らが脚色、マイケル・リッチーがメガホンを取ったサスペンス映画。

プロデューサーのザナックとブラウンは『ジョーズ』のコンビ。

出演はマイケル・ケイン、デビッド・ワーナー、アンジェラ・パンチ・マグレガー、フランク・ミドルマス、ドン・ヘンダーソン。

魔のバミューダ海域の謎に挑んだ作品だが、安易にUFOだ、宇宙人だ、といった超自然現象に原因を求めてはいないのだが、その正体が海賊の末裔ではねえ。
また主人公は逃げちゃ捕まりを繰り返すだけだし、味方かと思ってた人物が裏で糸を引く黒幕だったり、主人公と情を交わした女性が裏切って助けてくれたりと、捻ったつもりでも結果的に定石通りの展開なのでちっとも面白くない。

見どころといえば件の女性（一応はヒロイン枠か）が唐突におっぱいを見せてくれるくらいだけど、それも『ザ・ディープ』のジャクリーン・ビセットに比べれば……。
結局製作費も回収できずに映画は不発。
他にもベンチリー原作の映像化作品はあるものの、劇場映画はこれが最後だと思う。