気を取り直して――
時代設定は1965年!製作時から6年先の近未来だ。
米ソが競って宇宙進出に賭けていた頃だからこその強気なのだろうが、流石に今となっては辛いものがある。
が、そういう時代だったのだろうなぁ。
月面に基地を置いたナタール人と地球人との、一大攻防戦を描いた野心作ではあるのだが、優れた科学力を持ちながら一気呵成に攻め込んでこないナタール人や、あたかも物見遊山のような長閑さで月面基地を視察に行く地球人の科学者チームの描写には、”宇宙大戦争”という程の緊迫感は感じられない。
クライマックスにしたところで、少数精鋭同士のぶつかり合いなのだろうが、せいぜい局地戦というか小競り合い程度にしか見えないのが興をそぐ。
もっとも映画の主眼は物見遊山そのもの、未知なる宇宙空間、それに月世界を観光地よろしく如何に観客に楽しませるかに置かれているのだろうと思うので、これは意図的なものだろう。
”大戦争”とまではいかなくても、ナタール円盤による都市破壊シークエンスは、当時の技術を駆使した一大特撮絵巻と化しているので一見の価値はありだ。
なお、この作品は『地球防衛軍』の続編という訳ではないものの、名前が同じ人物が出てくる。
役者も違うし設定も違うのだが、何故だろう。
――それにしても宮川先生といい、この作品の伊福部先生といい、今年は自分の中で大きな比重を占める作曲家の訃報が続く。
悲しむべきことではあるけれど、残された数多くの素晴らしい音楽に、僕らはいつでも触れることの出来る幸せを噛み締めていたい…。