『北京冬季五輪2022』(2023)
2024年 01月 15日
三部構成になっていて、二部が実際の大会の記録映像。
スノーボード、ショートトラック、アイスホッケーと並んでフィギュアスケートでは羽生結弦も取り上げられているが、そもそも映像で紹介されている競技数はかなり少なく、またスポットを当てられている選手もごく僅か。
当然”疑惑の判定”なんぞに時間を割くはずもなく、この映画からだと北京オリンピックそのものがこじんまりした大会だったとの印象を受ける。
それに先立つ一部では、大会の準備が進む中で発生した新型コロナウィルスの対応に追われるスタッフの姿を追いかけていて、こちらの方がオリンピックの記録映画っぽい面白さを感じられた。
東京オリンピックの記録映画でもコロナ禍での対応に苦慮するスタッフの姿が印象的だったが、こういった部分こそ後世にしっかりと残しておくべくだろう。
また開催国が中国なだけにボイコット問題が持ち上がり、これはこれで映画として取り扱うべき重たいテーマになるところだが、こちらも本来の映画の趣旨から外れるという見解なのだろうが、さらっと流されている。
上映時間は103分。
2021年の東京オリンピックは二本の映画にまとめられたが、今回もコロナ禍の中で奮闘する裏方にスポットを当てたものと、純粋に選手たちの競技の記録としてまとめたものの二本立てにするか、あるいは上映時間にもう少し余裕を持たせ、どちらもじっくり掬い取って組み立てるかしてくれていれば、ここまで中途半端というか物足りなさも感じなかったのではないか、と思う。