『フェルメール The Greatest Exhibition/アート・オン・スクリーン特別編』(2023)
2024年 02月 24日
美術館の館長や専門家による解説付きでフェルメールの絵画を紹介する、映画館で鑑賞する美術展といったところで、これまで興味を持ちながらもまとめて触れる機会がなかったフェルメールの作品群を、混雑する美術館ではなく映画館の座席にゆったり座りながら愉しめるというのは良い企画だ。
より多くの人に届けるために、今後こういったライヴビューイング的な企画は増えていくように思う。
ただフェルメールその人に対するドキュメンタリーではないので、その人物像や生涯、他から受けた影響や他に与えた影響、その絵画手法や特徴などへの掘り下げはやや物足りなくも感じたし、むしろ実物をこの目で見たい気持ちにさせられた。
映画では収まり切れない”何か”があるような気がしてならないからだ。
それに製作サイドには申し訳ないが、この1時間半の作品に対し特別鑑賞料金を徴求することへの疑問も湧いてきた。
諸事情あるのだろうが、むしろ通常より安価な料金でより多くの観客に提供することが、裾野を広げるためにも必要なのではと感じた。