『マダム・ウェブ』(2024)
2024年 02月 25日
救急救命士のキャシーは、ある災害現場で自らも事故に遭い生死を彷徨うという体験をした。
それ以来彼女は奇妙な体験を重ねるのだが、やがて未来を垣間見ていることに気付く。
偶然3人の少女が謎の覆面男に殺されるビジョンを見たキャシーは、彼女たちを助けることを決意。
断片的に見える未来から何度も危機を回避するが、謎の覆面男は執拗に3人を狙うのだった。
やがてキャシーの過去と覆面男との繋がりや、覆面男の目的が明らかになるのだが…。
<SSU>の4作目で、「マーベル初の本格ミステリー・サスペンス」が謳い文句。
だがキャシーの能力は地味だし、3人の少女ジュリア、マティ、アーニャはまだ能力を発揮する前なのでワーワーキャーキャー逃げ回っているだけではあるものの普通にヒーロー映画で、この映画を見てミステリー・サスペンス物だと思う人は少数派ではなかろうか。
ただ先行公開された米本国では酷評されたというのも宜なるかな。
個人的には駄作とまでは言わないが、それでもアメコミヒーロー映画疲れが叫ばれている昨今、それを打開するほどのパワーや新機軸を持った作品だとも思えなかったのだが。
ちなみに原作のマダム・ウェブは盲目で車椅子に乗った老婦人だそうだが、今回の映画に登場するキャシーは30代の女性。
もっとも映画の舞台は2003年なので、今後の<SSU>作品にはもっと年齢を重ねた姿で登場するのかもしれない。
そのキャシーのパートナーはベン・パーカーで、最近彼女が出来たり、弟夫婦にまもなく子供が生まれそうだったり、となかなか身辺が騒がしい。
名前は出てこないが、この彼女とはおそらくメイのことで、また映画のラストで生まれる弟夫婦の子供の名前はピーターだと思われる。
時代設定を過去にしたのは、今後のスパイダーマン登場への布石だろう。
少女たちを付け狙う謎の男エゼキエルはキャシーによって倒されるが、そのあっけない最期は拍子抜け。
実は生きていたとかで再登場の可能性はないのだろうか。
また少女たちの覚醒後の活躍ぶりは、未来のヴィジョンとして断片的にしか描かれていないので、今度は本格的にヒーローとして活躍する姿が見てみたい。
『ヴェノム』や『モービウス』よりも過去のお話になってしまってもいるので、今年公開待機中の『クレイヴン・ザ・ハンター』や『ヴェノム3』への影響も気になるし、当然のことながら<MCU>との繋がりも気になるところだ。
最後に吹替版について一言。
もういい加減こういうことは止めようよ。
誰もHAPPYにはなれないんじゃない?