『ウルトラマンブレーザー THE MOVIE/大怪獣首都激突』(2024)
2024年 02月 26日

ただ大まかな基本設定は何となく知っていたのと、冒頭にダイジェストが付いているのでストーリー世界にはすんなり入れたと思う。
面白いのは冒頭にダイジェストがあり、それに続けてタイトルが出るのかと思いきやそうではなく、新しいドラマが始まってからタイトルが出ること。
そのタイトルも映画としてのものではなく、TV版のものを流用しているのだろう。
登場人物はSKaRDとヒルマ隊長の家族、それにゲストとなる元大学教授で先進化学企業のCEOとその息子、と至ってシンプル。
上映時間も短いが余計な脇筋がない分集中して見ていられる。
また副題にある通りに東京が決戦の場になるが、デイシーンの中で巨大な国会議事堂のミニチュアを作り、それを容赦なくぶっ壊すなど都市破壊のカタルシスも十分。
そもそもはTVのダイジェスト部分で見せられた特撮シーンでも、TVでここまでやったんだと度肝を抜かれたのだが、本編ではそれを凌駕する迫力。
毎回<ニュージェネレーション>シリーズは予算との戦いとも聞いていたので、なおさら感慨深いものがある。
親子の情愛をメインに据えたストーリーは、個人的には第二期ウルトラシリーズを彷彿とさせるので好きではないのだが、主人公が防衛組織の隊長であり、妻子持ちでかつウルトラマンというこの作品の特異性とはマッチしているし、短時間での落としどころとしては悪くはない。
先輩ウルトラマンの助っ人参戦や、奇跡が起こってメデタシメデタシの解決には食傷気味だ。
それにしても隊長がウルトラマンなんてどうやって話を進めて行くんだろうと思っていたが、なかなか上手いことをやっている。
ウルトラマンが出現している時に隊長からの作戦指示がないのは不自然といえば不自然だが、隊員各人がエキスパートで自分自身の判断で行動出来るので作劇上はあまり気にならない。
実は一介の隊員が行方不明になるより、隊長が行方不明になる方が言い訳は付けやすいかも。
更に驚いたのはTVシリーズを通して、そしてこの劇場版に至ってもヒルマ・ゲント=ウルトラマンブレーザーだということが、作中人物に一切バレていないことだ。
これなら第2シリーズも作れそう。