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『ネクスト・ゴール・ウィンズ』(2023)

落ちこぼれの選手・チームが、ちょっとした切っ掛けや型破りな指導者に出会って劇的な変身を遂げる、というのはスポーツを題材にした映画によくあるパターンでみんな大好きだろうと思うけれど、これもそんな”熱い”映画の一本。

『ネクスト・ゴール・ウィンズ』(2023)_e0033570_19314813.jpg2001年、W杯予選史上最悪となる0対31という屈辱的なスコアで敗れたアメリカ領サモアのサッカー代表チームは、それ以降1ゴールも上げられずFIFAランキングの最下位に低迷していた。
迎えた2014年、予選開始の4週間前にアメリカから送り込まれたのは、かつては名声を浴びたものの破天荒な言動が災いし、事実上追い出された男だった、という実話ベースのお話。

サモアの代表チームは選手もスタッフも個性豊か。
体力もなければテクニックもなく、おまけにトランスジェンダーの選手までいる始末。
彼らはみんな仕事や学校との掛け持ちで練習に参加しているのだ。
コーチはそんなサモアの風土や習慣、文化にカルチャーショックを受け、自分の思う通りにならないことに苛立ち、不満をぶつける、というところから始まるのだが、やがて次第に相互理解が進み、遂には歴史的一勝をつかみ取る。

結局は予選を勝ち上がることは出来なかったのだが、その後のサモアは一度も最下位には転落して転落していないそうだし、大敗を喫した際のゴールキーパーは今でも代表チームに残って皆を引っ張っているとのこと。
トランスジェンダーの選手も、先駆者としてアイコン的存在になっているようだ。

個々人のキャラクターやエピソード、試合運びには流石に脚色が入り、要は”盛ってる”部分もあるようだが、モデルとなった当人たちも皆納得してるようだし、多少湿っぽい場面もあるにはある(コーチが事故で最愛の娘を亡くした件など)のだが、それでも全編をカラッと陽性の笑いに包んだタイカ・ワイティティ監督の手腕はなかなかのもの(最初と最後などに自ら出演し、美味しいところを持って行ってる)。
熱く”燃えて”、そして”笑える”素敵なスポーツ映画の誕生を素直に喜びたい。


by odin2099 | 2024-02-28 19:33 |  映画感想<ナ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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